臣 様 の 言 う と お り

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＊




『わぁ。』




緑の道を進めば謎の緑の空間。




大木が一つあった。






『すごい…
ここで、リンゴ食べよっ。』




と、大木に座る。





ガサガサ＿＿





『ひっ。』





座れば何やら背後から音がした。




恐る恐る振り向く。





バサッ＿＿



女「隆二！？」

『キャー！』



白いドレスを着た女性が現れて思わず大木から落ちる。




『いっててて…。』




大木から頭を出してみた。



女「隆二…じゃない？」

『隆二って…。え？隆二？』






黒髪の女は、私を見て戸惑った。

でも、私が一番戸惑ってると思う。


なんで、隆二のこと知っているの？







女「誰…!?」

『いや待って、それよりなんで隆二知ってるの？』


立ち上がって問いかけた。




女「君には関係ないよ。
それに、よく分かったね。ここ。」


『そりゃ、店の間に何かあるから。』

女「あの馬車、昼に出たのね…。」


意味不明な言葉を口にする。


『？？』


女「いや、なんでもない。
こっちの事だから。

名乗り忘れたわね、私の名前は"杏奈"」

『"アンナ"…。』

杏奈「隆二の恋人。」

『…え？恋人！？』





驚いて腰が抜けそうだった。




だって…。隆二？え？






杏奈「２０年くらい前からずっと一緒だったんだけどね…。

事情があって、突然隆二の前からいなくなったの。
でも、最後に隆二との日々を日記にしたものに愛してるってことを伝えたからそんなに心残りはないけれど。

で、久しぶりに来たの。
でも…隆二は来なくって。そりゃ、そうだよね。５年ぶりだもん。」

『あっ…』





まさか隆二が読んでたあの本って…
なるほど。


でも、隆二、あれほど怒んなくても良くない？笑







『杏奈さん！』

杏奈「ん？」

『１ヶ月後に会えますよ！
今、王様とミシロ会議に行ってるんで！』



隆二が言ってた忘れられない人って杏奈さんのことだったんだと確信して２人を会わせようとする。



杏奈「１ヶ月…ね。
広臣くんも大きくなったんだろうね。」





でもなんだか切なそう。

しかも、アイツを君付け…。笑




杏奈「もう帰んなきゃ行けないんだよね。」

『えっ？』

杏奈「だから、大丈夫！」







と、悲しげな笑顔を見せた。
さっきの隆二みたいに。







『いいえ！
ダメです！会いに行きましょ！明日出発しますよ！』

杏奈「えっ？」






好きな人の好きな人もちゃーんと大切にしなきゃね。

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