検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:529,615 hit

38 ページ39

.






「ヒョン、駅まで一緒に帰りません?」
「、俺は」
「...たまには俺と話しましょ?ずっと仕事して、煙草吸ってたらヒョン倒れちゃいますよ」






残業しようと思っていたのか、終業後の営業部にユンギヒョンのパソコンだけが明るさを保っていた。傍らのコーヒーを掴んで流し込んでいるヒョンに話しかければ、明らか疲れた表情のヒョンに苦笑が漏れる。
なんだかんだと理由をつけてヒョンを社外に連れ出すと、久しぶりに随分元気だなとヒョンが僅かに笑顔を見せた。

駅に着くまで他愛ない話をして、俺の緊張を悟られないようにする。握りしめた拳の中で、鍵がカチャリと鳴った。






そうして駅に着いて、改札を潜ろうとするヒョンを捕まえる。なんだよジミン、と顔を顰めるヒョンを引っ張ってタクシー乗り場に向かう。おい、という制止の声も聞かず止まっていたタクシーにヒョンを突っ込むと、幾らかのお金と握りしめていた鍵をヒョンに押し付けてAの家の住所を運転手に告げた。






「おいジミン」
「302号室です、この間行ったから場所分かりますよね?」
「っ...ジミ」
「最後のチャンスです、これでダメだったら俺もヒョンにAを押し付けません。全部Aにぶつけてきてください」






運転手に絶対途中で下ろさないでください、そう頼んでタクシーのドアを閉めた。
タクシーが発車するのを見送って緊張が解ける。ユンギヒョン怖すぎ...。
軽くなった足取りで改札を潜って、スマホを開く。






「.....え、」






バナーに滑り出た、助けて、のメッセージに背筋に冷たいものが流れた。








.

39→←37



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (618 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1477人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン
感想:  ログイン

ヒスイ(プロフ) - 桜餅.さん» ありがとうございます、オメガバースというジャンルがこの界隈にも知られていけば嬉しいなと思います。オメガバースシリーズぜひジミンさんの方も宜しくお願いします(^^) (2019年8月11日 9時) (レス) id: d14f85405c (このIDを非表示/違反報告)
桜餅.(プロフ) - オメガバース好きなので嬉しいです、とても感動しました。このような作品を作っていただきありがとうございます (2019年8月9日 23時) (レス) id: 444f8cfc75 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - もりぞうさん» こちらこそありがとうございます!ジミンさんのお話の方もぜひ宜しくお願いします!こちらこそ応援しております。 (2019年7月20日 17時) (レス) id: d14f85405c (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - 遅くなりましたが完結おめでとうございます!素敵な作品をありがとうございました(^^)続編も読ませてもらってます。ジミン氏のお話が読めて嬉しいです!これからも応援しております(*^^*) (2019年7月18日 21時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - のさん» そう言っていただけると私もとても嬉しいです。人同士の繋がりはとても大事に書かせています。誰かの為に、逆に誰かのせいで、そういうものに世の中は呑まれているなといつも思っているからです。今後も宜しくお願いします! (2019年7月15日 20時) (レス) id: d14f85405c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヒスイ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年6月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。