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突然の事だった。
Aの腕の中で荒い息を吐くソイツが、"Ω"だと気付くのが少し遅れた。かなり気を抜いていたんだろう。至近距離でダメなものに触れてしまった。
ドクン、と全身が脈打つのが分かった。
久しぶりのこの感覚に、背筋に電流が走ったような感じがした。
特有の甘い匂い。身体が支配されていく。呑み込まれていく。
ユンギさん、朦朧とする意識の奥でAの声が聞こえた。ダメだ。Aが傍に居たら、Aを...そう思っても身体に力は入らないし、ろくに喋れもしなくて、Aに腕を引かれるがまま人の居ないスタッフオンリーと書かれた非常階段に連れられた。
「は、っぁ.....A、っ...」
「ユンギさん...」
「っ.....俺から、はなれろっ...」
壁に身体を預けるようにして、熱い息を漏らす。不安そうな顔のAがまた俺の名前を呼んで、それが強く俺の欲を煽った。
痛いぐらいに勃ち上がっているであろう俺のソレに、口端から涎が零れる。
歩ける気力も無いから、自分で抜こうとAを階段から追いやろうとした。
「っ...な、に...してっ...!」
「...苦しんでるユンギさんを見捨てられません」
「Aっ...やめ、!」
「.....全部"私達"が悪いんです」
「っ.....ぁ...?」
Aの妙な言い回しに気を取られていれば、チャックを下ろされ下着からも出され外気に晒されたソレが暖かいものに包まれた。
Aの小さな手が、俺のを握っている。
衝撃的でありながら、どこかで望んでいたかもしれないこの光景にブルッと身体を震わせる。
甘美な刺激に今にでも達しそうなぐらいだった。
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ヒスイ(プロフ) - 桜餅.さん» ありがとうございます、オメガバースというジャンルがこの界隈にも知られていけば嬉しいなと思います。オメガバースシリーズぜひジミンさんの方も宜しくお願いします(^^) (2019年8月11日 9時) (レス) id: d14f85405c (このIDを非表示/違反報告)
桜餅.(プロフ) - オメガバース好きなので嬉しいです、とても感動しました。このような作品を作っていただきありがとうございます (2019年8月9日 23時) (レス) id: 444f8cfc75 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - もりぞうさん» こちらこそありがとうございます!ジミンさんのお話の方もぜひ宜しくお願いします!こちらこそ応援しております。 (2019年7月20日 17時) (レス) id: d14f85405c (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - 遅くなりましたが完結おめでとうございます!素敵な作品をありがとうございました(^^)続編も読ませてもらってます。ジミン氏のお話が読めて嬉しいです!これからも応援しております(*^^*) (2019年7月18日 21時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
ヒスイ(プロフ) - のさん» そう言っていただけると私もとても嬉しいです。人同士の繋がりはとても大事に書かせています。誰かの為に、逆に誰かのせいで、そういうものに世の中は呑まれているなといつも思っているからです。今後も宜しくお願いします! (2019年7月15日 20時) (レス) id: d14f85405c (このIDを非表示/違反報告)
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