# 笑 ページ10
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｢ご飯美味しかったねぇ｣
｢そうですね〜｣
少し空気が寒くなった夜。
太宰さんのお家に帰っている途中だ。
太宰さんに買っていただけた服や、お菓子が沢山入った袋を一つ持ち、太宰さんは二つ持って下さった。
私が三つ持つと手を伸ばした時は凄く拒まれたし、二つ持つと云った時は私を馬鹿にしているのかと云われた。
何を云っても私は一つしか持たせて貰えなさそうだったので、諦めて一つだけにしている。
｢今日は本当にありがとうございました｣
｢うん。まあ、これから一緒に住むんだし、これくらいはね｣
｢明日から働いて、しっかり返します｣
そう一言云うと、太宰さんはいきなり足を止めた。
流石に驚き、私も固まると、太宰さんは訳が分からないという顔で私を見てくる。
｢え？明日から本当に働くの？｣
｢え、あ、はい、そのつもりですが…｣
苦虫を噛み潰したような顔をする太宰さんを見て、思わず首を傾げる。
若しかして、働くのは駄目だったか…？
家で家事をしていた方が善いのだろうか
ただ、今日の分と家賃と水道代と電気代とその他諸々を払う為にも働かなければいけない。
｢解った。働く事は許可しよう。ただ、帰りは私が迎えに行く｣
｢え、な、何故ですか？｣
｢不安だからに決まっているろう！｣
｢えぇ、！？｣
そんな会話をしては、笑って。
昨日初めて会ったというのが嘘のように、太宰さんとの会話は楽しく、笑顔になれた。
ただ、偶に太宰さんの笑顔が恐く見えたりする。
笑顔の奥底に何かが潜んでいるような気がして、気になってしまう。
｢太宰さん｣
名前を呼べば、なんだい？と云って顔を此方にちらりと向ける太宰さん。
その表情は笑顔で、眼は初めて会った時と同じ、私があまり見たくは無い眼をしていた。
その眼が私の好まない色という訳でもなければ、目付きが悪い訳でも無い。
ただ、この綺麗な眼の奥にあるドス黒い何かが恐いだけ。
｢…！Aさん？｣
私は気付けば太宰さんの口角に人差し指を添えていた。
太宰さんは目を見開き、固まっていて、
｢す、すみませんでした！許可も無く、触れてしまって！｣
手を引っ込めて頭を下げる。
やらかした。
私、何やってるんだろう。
太宰さんの笑顔が気になってしまって、自然に触れてしまった。
｢Aさん、顔上げて｣
｢で、でも＿｣
｢いいから｣
恐る恐る顔を上げると、
｢…え｣
今まで見たことの無い顔で笑う太宰さんがいた。
*
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gross - 面白いです… (1月8日 10時) (
レス) @page37 id: 52a16cf4dd (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 面白すぎる！続きが楽しみです！ (5月29日 2時) (レス) @page36 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 面白いです！続き楽しみにしてます！！ (2023年4月16日 17時) (レス) @page18 id: 71114ebb82 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 太宰さんナイスです！続きすごく気になります！頑張ってください！ (2023年4月14日 23時) (レス) @page15 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - すごく素敵なお話だと思います！続き待ってます！ (2023年4月12日 16時) (レス) @page6 id: ece26d42b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりがみ | 作成日時：2023年4月11日 14時
