# 仲 ページ21
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「Aさんは甘いものが好きなんですね!」
「はい!ずっと昔に、友人がくれた
「良いですね!実は、乱歩さんも甘いものが好きなんですよ!」
「そうなんですか!矢張り、頭を使うには糖分が必要ですからね〜」
すっかり仲良くなった賢治とA。
太宰を起こす事を諦めた金髪の男性は、話してても善いが静かにしろ、と二人に云った。
ので、二人は静かに話す事にしたらしい。
最初のうちはAが遠慮がちで、お仕事中だし…と引っ込んでいたが、賢治のふわふわとした優しく元気な雰囲気に釣られ話している。
その光景を、その場に居る殆どの人間が微笑ましく思った。
「そういえば、賢治様はお幾つなんですか?」
「僕ですか?十四です!」
「じゅ、十四!?お若いですね、」
「僕の方が年下だと思うので、賢治で善いですよ」
「否、そんな失礼な事は出来ません…」
そんな会話をしていると、橙色の髪色をした男性が立ち上がり、現場行ってきます、と一言云う。
「嗚呼、気をつけて行ってこいよ」
「はい!」
「い、行ってらっしゃいませ」
緊張しながらも、送り出す言葉を口にしたA。
谷崎と呼ばれた男性は驚きながら、頬を緩める。
「えっと、お名前は?」
「み、湊Aです」
「ボクは谷崎潤一郎です。それじゃあ、行ッてきます」
手を軽く振り、扉を開けて出ていった谷崎。
Aは嬉しそうに微笑む。それを見た賢治はニコリとして口を開いた。
「Aさんは日常の中に幸せを見つけられる人ですね!」
「…へ、?」
純粋な笑顔を向けられたAは、少し戸惑う。
「あ、ありがとう、ございます」
そう、感謝を述べた時。
大きな声が耳に入る。
「いい加減仕事をしろ!!包帯無駄使い装置!!」
その声にAは肩を震わせて、謝ろうと口を開くがそれよりも早く、
「国木田くぅん〜そんなにガミガミしてると、血流が悪くなって脚が動かなくなるよ〜」
太宰が口を開いた。
「な、何!?それは本当か!?」
「うん、本当。ほら、メモメモ」
太宰の適当な嘘を聞いて本当にメモを書き始めた。それに対して、嘘だけどねと清々しいほどバッサリ云う太宰。
「血流が悪くなると、腹痛になりやすかったりするんですよ」
「そうなんですか?」
小さな声で本当のことを賢治に伝えるA。
「Aさん、帰ろうか」
*
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gross - 面白いです… (1月8日 10時) (レス) @page37 id: 52a16cf4dd (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 面白すぎる!続きが楽しみです! (5月29日 2時) (レス) @page36 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 面白いです!続き楽しみにしてます!! (2023年4月16日 17時) (レス) @page18 id: 71114ebb82 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 太宰さんナイスです!続きすごく気になります!頑張ってください! (2023年4月14日 23時) (レス) @page15 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - すごく素敵なお話だと思います!続き待ってます! (2023年4月12日 16時) (レス) @page6 id: ece26d42b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おりがみ | 作成日時:2023年4月11日 14時