# 眠 ページ20
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「め、名探偵様、私、もうお腹が…」
「まだまだあるよ？」
「うっ…い、いただきます…」
お腹を抑えて震えているのはA。
お菓子を名探偵に与えられ過ぎて、お腹が限界を迎え初めているのだろう。
そんなAを他所に、ホイホイとお菓子を渡してゆく名探偵に、震えるものも居る。
「む、無理、ぐッ…」
「乱歩さん！事件です！」
その声がAは救世主の声に聞こえた筈だ。
だが、名探偵は心底厭そうな顔をしていた。
「面倒臭いなあ。敦行ってきてよ」
「ぼ、僕ですか！？」
「いえ、これは乱歩さんへの依頼なので…」
金髪の男性が名探偵に必死に交渉するが、行く気は無いようでAにお菓子を与える手を辞めない。
Aは悲鳴をあげるお腹を抑えて、息を整えた。
「…。」
名探偵の視線はAに向く。
その視線に気付かず、深呼吸をしていて、名探偵は溜息を着くだろう。
そして口を開いた。
「はぁ…僕が居ないとろくに事件も解決出来ないんだから。」
名探偵は立ち上がり、Aの額に爪当てをした。
驚きながら、じわじわと来る痛みに額を抑える。
「すみません、名探偵様のお気に障るような事を＿」
「乱歩」
「…え？」
「江戸川乱歩。名探偵って呼ばなくて善いから」
そう一言云うと、黒髪の女性を呼んで事務所を出て行った。
額を抑えた儘、放心状態のAを見て金髪の男性が声を掛ける。
「おい、小娘。何でもする、と云ったな」
「は、はい」
声を掛けられ意識が戻ったAは手を膝の上に置いて姿勢良く男性を見る。
「これを片付けて、それが終わったら太宰を働かせろ」
/
私は今、困っている。
否、自業自得なのだが、困っている。
何度声を掛けても起きない太宰さんを、どうやって起こそうか。と。
「だ、太宰さん…お仕事、残ってますよ…」
「…」
「…だ、太宰…さん…」
「どうかしました？」
「ﾋﾞｪｯ！？」
いきなり声を掛けられ驚くA。
後ろには金髪の少年が立っていて、ほっと胸を撫で下ろす。
「太宰さんを働かせるよう云われましたので、起こそうとしているのですが、上手く起こせなくて」
「そうなんですね！放っておいて良いと思いますよ！」
「え？！」
「あ、僕は宮沢賢治って云います！貴方は？」
「わ、私は湊Aです…」
「Aさんですね！太宰さんは起きても仕事しないと思います！」
賢治の勢いに押され、Aは苦笑いした。
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gross - 面白いです… (1月8日 10時) (
レス) @page37 id: 52a16cf4dd (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 面白すぎる！続きが楽しみです！ (5月29日 2時) (レス) @page36 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 面白いです！続き楽しみにしてます！！ (2023年4月16日 17時) (レス) @page18 id: 71114ebb82 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 太宰さんナイスです！続きすごく気になります！頑張ってください！ (2023年4月14日 23時) (レス) @page15 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - すごく素敵なお話だと思います！続き待ってます！ (2023年4月12日 16時) (レス) @page6 id: ece26d42b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おりがみ | 作成日時：2023年4月11日 14時
