検索窓
今日:3 hit、昨日:12 hit、合計:69,231 hit

# 務 ページ18

·







「きっ、緊張して死にそうです」

「大丈夫、大丈夫〜。ほらここの階段登るよ」

「は、はい…」


つかつかと先に進む太宰さんを追いかけて階段を上る。

太宰さんが職場に来てみなよ、と云って下さったので今向かっているが。

心臓は五月蝿く動き、手は震え、顔は熱い。
緊張しすぎて、喋るのも困難な状態だ。

俯きながら両手をぎゅっと握り合わせた時、額が、ぼふっと何かにぶつかる。

上を見てみれば、太宰さんの背中で


「す、すみません!ぶつかってしま_」

「着いたよ」

「…え?」


ふらりと振り返った太宰さんが私の背中をぐっと押して、扉の目の前に行かせる。

扉には「武装探偵社」と描かれていて、どう見てもホストではなく、探偵事務所だった。


「こ、ここですか?」

「そう、ここ。却説、中に入ろうか」


太宰さんの手によって扉は開かれ、中が見えるようになる。

中には数名人がいて、見た目は探偵社っぽさがあった。
全員の視線がこちらに向く。

その中の一人、銀髪の少年が近寄ってくる。


「えっと、依頼人の方ですか?それなら、こちらに…
って、太宰さん!?」

「やぁ、敦くん」








/








「いきなり来てしまって本当にすみません…私何かでよければ、なにか仕事します。」

「否、いい。どこの人間かも解らん小娘に仕事は任せられない」

「そうそう!だから私とここで一緒に寝_」

「太宰、貴様は仕事をしろ!!」


愉快な人達だなと思った。

私何かが居て善い場所では無い、太宰さんによく似合った素敵な場所だと。

私何かに似合わないのに、出て行けとも云わず居ることを赦して下さった。


「君、これ食べる?」

「え、?」


机を一つ挟んだ前から乗り出して「作るお菓子(お寿司屋さん)」を差し出してくる少年。

首を傾げて、受け取る。


「ありがとうございます…こ、これは、?」

「粉と水を混ぜてお寿司を作るんだよ」

「粉と水でお寿司が作れちゃうんですか!?凄いですね!」

「そりゃあ、僕は名探偵だからね!」


自慢げにそう言う名探偵さんは、きっと本当に凄い人なのだろうと感じる。

そんな凄い方が私何かと話して下さっていると思うと、頭が上がらない。

笑顔だった名探偵さんの表情が真顔になる。

何かしてしまったかもしれない。
気に触る事を云ってしまったかも。


「す、すみません、何か気に触る事を…」





「…君、何かに追われてるの?」






*

# 寿→←# 髪



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (200 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
447人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

gross - 面白いです… (1月8日 10時) (レス) @page37 id: 52a16cf4dd (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 面白すぎる!続きが楽しみです! (5月29日 2時) (レス) @page36 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 面白いです!続き楽しみにしてます!! (2023年4月16日 17時) (レス) @page18 id: 71114ebb82 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 太宰さんナイスです!続きすごく気になります!頑張ってください! (2023年4月14日 23時) (レス) @page15 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
シュークリーム - すごく素敵なお話だと思います!続き待ってます! (2023年4月12日 16時) (レス) @page6 id: ece26d42b5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:おりがみ | 作成日時:2023年4月11日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。