SWEET MEMORIES4 ページ19
Aside
お願いだから、誘惑しないで…
また傷つくのは怖いの。
傷つかないように一生懸命塗り固めた、'大人な女'っていう鎧はもろくて、
グラスにシゲの唇が触れた時、崩れかけた。
昔は愛してたの。
今も呼べば来てくれる男の人はいるけど、シゲほど愛した人はいない。
本だって真っ先に買って、お守りみたいにずっと鞄に入れてて、
でも……
一生懸命大人を装ってるの…
気づいて。
それでもってそっとしておいて。
彼はサインをした後、握手は？と尋ねた。
余裕を持った笑みで、お願いするわ、なんて言ったけど
実際は手に触れただけで死にそうだったの
握手をしっかりして離そうとした瞬間、彼は急に私の手を引き寄せて、その反動で私は彼の胸元に倒れこんだ。
それから彼は強引に私の唇を奪おうとした。
あぁ、もう////
「何するのよ！……ねぇ、待って。お願い離して。」
思わず涙がこぼれた。
多分あなたがまだ好きなの。
だけどもう傷つきたくないの。
「…悪い。強引だったな。
なんか、大人になってるAと俺を比べたら恥ずかしくなるけどさ、
Aのこと、今でも好きなんだわ。」
ふっと喜びがこみ上げてくるのがわかって、優柔不断な自分が嫌になる。
「だからさ、A、もう泣かないで。
女の子泣かせるとか、俺サイテーじゃん。
より自分が嫌いになりそうだから。お願い。」
目を伏せた彼が真剣に言う。
やっぱりお互い傷つけてばっかりだね。
カランコロン♪
マスターがたくさんの瓶を持って扉を開けた。
「あっ、マスターおかえりなさい。
大丈夫っすか？持ちますよ。」
昔からこういう優しいシゲが好きだったんだ…
カサブランカを自分の手元に戻して最後まで飲みきる。
「美味しかったです。じゃあ、また。」
代金を置いて彼とマスターに軽く挨拶をしてバーを出た。
今の私ならまた彼とあったとしても、普通に友達みたいに接せると思ってたのに…
違ったな。
わかったのは今でもシゲが大好きだってことと
彼といたら四年もかけて一生懸命作った今の私が崩れちゃうってこと。
あー、もう。
なんて面倒くさいんだろ、私って。
よし、仕事仕事！
その瞬間ヒールが歩道の段差に引っかかってこけそうになった。
SWEET MEMORIES5→←SWEET MEMORIES3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アカトウネ(プロフ) - 雪さん» 雪さん！嬉しいお言葉ありがとうございます！それなのに更新遅くて本当にごめんなさい汗 こんな怠惰な作者ですがこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年1月25日 19時) (
レス) id: b52f14ef66 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - アカトウネさんのお話にいつも、ドキドキしてます。何回読んでも面白いです。 (2017年1月24日 22時) (レス) id: 8f119e8986 (このIDを非表示/違反報告)
アカトウネ(プロフ) - 凜さん» 凜さん！お久しぶりです！なんて優しい人なんだ！F4もそろそろ更新します。応援本当に本当にありがとうございますm(_ _)m (2016年12月27日 23時) (レス) id: b52f14ef66 (このIDを非表示/違反報告)
凜 - ヤバイ!!!!何だこれは！ドキドキが止まらないー！面白いです！ (2016年12月27日 21時) (レス) id: 09856dbee7 (このIDを非表示/違反報告)
アカトウネ(プロフ) - シゲパーナさん» ありがとうございます！！！すっっごくうれしい♪♪泣きそうです。返信遅くなってしまってすみません。これからもよろしくお願いします！ (2016年7月5日 19時) (レス) id: 6842944fbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アカトウネ | 作成日時：2016年4月11日 20時
