SWEET MEMORIES1〜S.K〜 ページ16
Aside
「夕暮れが綺麗ですね、マスター。」
「えぇ、秋空って感じですね。
Aさん、どうします?」
「マスターのオススメで。」
「かしこまりました」
金曜日の夕方、行きつけのバーで夕日に照らされながらたそがれる大人な女。
まさか自分がそうなるとは思ってなかったな。
ずっと付き合ってた彼とは結婚も多少は考えたのに、いつの間にかすれ違ってて…
でも私は今の私が好きだから
「はい、どうぞ。
カサブランカです。」
カラコロン♪
マスターがカクテルを出すと同時にドアのベルがなった。
珍しいな、この時間はいつも私だけなのに。
しかも常連さんじゃないみたい。
「あの、隣、いいですか?」
えっ……他にも席あるじゃない。
うーん、まあいいか。
「えぇ、まぁ……どうぞ。」
「オリンピックで。」
彼はめずらしいカクテルを頼んだ。
ふーん。
「……そんな名前のカクテルあるんですね。」
マスターがにっこり答える。
「そうなんですよ。なかなか頼む人はいないですけどね。
カクテルにはお詳しいんですか?」
隣の彼ははにかみながら、えぇ、まあ、とつぶやいた。
っていっても彼の顔は夕日に反射してちゃんと見えないんだけど。
「マスター、なんでオリンピックっていうんですか?」
「あぁ、カクテルには花言葉みたいなメッセージがあって、それにちなんでるんだよね。」
へぇ〜。初耳だな。
「オリンピック……スポーツ………」
うーん、いまいちピンとこないかも。
すると突然隣の彼に笑われた。
「ふふ。四年に一回がヒントですよ。」
四年に一回、あー、なるほど。
それにしても、この低いトーンの声はなんか、聞いたことがあるような……?
そんなことを思いながらも、知識に富んだ2人に笑われた自分が少し恥ずかしくなった。
「で、答えはなんなんですか?マスター」
「ははは、さぁ、忘れましたね。
Aさん、それから…お客さん、すみませんが少し買い出しに行くものを思い出したので店、あけますね。」
えぇ、クイズ出しておいて正解忘れたの⁉
お客を残して買い出しって…と思いつつ私たちは見送った。
まだ顔もよく見えない彼は突然口を開いた。
「オリンピックのカクテル言葉は
待ち焦がれた再会、ですよ。
Aさん。」
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アカトウネ(プロフ) - 雪さん» 雪さん!嬉しいお言葉ありがとうございます!それなのに更新遅くて本当にごめんなさい汗 こんな怠惰な作者ですがこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年1月25日 19時) (レス) id: b52f14ef66 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - アカトウネさんのお話にいつも、ドキドキしてます。何回読んでも面白いです。 (2017年1月24日 22時) (レス) id: 8f119e8986 (このIDを非表示/違反報告)
アカトウネ(プロフ) - 凜さん» 凜さん!お久しぶりです!なんて優しい人なんだ!F4もそろそろ更新します。応援本当に本当にありがとうございますm(_ _)m (2016年12月27日 23時) (レス) id: b52f14ef66 (このIDを非表示/違反報告)
凜 - ヤバイ!!!!何だこれは!ドキドキが止まらないー!面白いです! (2016年12月27日 21時) (レス) id: 09856dbee7 (このIDを非表示/違反報告)
アカトウネ(プロフ) - シゲパーナさん» ありがとうございます!!!すっっごくうれしい♪♪泣きそうです。返信遅くなってしまってすみません。これからもよろしくお願いします! (2016年7月5日 19時) (レス) id: 6842944fbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカトウネ | 作成日時:2016年4月11日 20時