【d！】幼き軍人特待生【zm】 (ページ15)

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zm｢ししょう…！！あれなに！？｣

『ん？あれはヨーヨー釣りって言うんだぞ』

そう言って私はゾムの手を離さないように繋ぎ、人混みの中を掻き分けながらヨーヨー釣りの店まで近づく

今日は""建国記念日""ということで街ではお祭り騒ぎ。午前にはパレードが行われ、夜は"屋台"が出回りもう少しすると花火が上がるらしい

ゾムはパレードは何度か見たことがあるらしいが、夜に開催される屋台などは初めてらしく、さっきから屋台などを物珍しそうに見つめる姿が印象的だった

zm｢よーよーつり…？よーよーって言う魚さんがおるん？｣

『ふふっ、ヨーヨーは魚じゃなくって風船みたいもんやで』

zm｢そうなんや…！ヨーヨーつり、やってみたい…！！｣

ー屋台前ー

『ヨーヨー釣り、１回お願いします』

｢A幹部…！！こんばんは！お目にかかれて光栄です！｣

｢ヨーヨー釣り1回分ですね…！お代は結構なのでいくらでも楽しんでください！｣

『いや、値段はしっかり払わせてもらいます。幹部だとかそういうのは気にしないでください』

そう言って私がお勘定を済ませると、ゾムがキラキラと私のことを見つめていることに気づく

zm｢ししょう、かっこええ……！｣

『別にかっこよくないぞ』

『国民たちも国の平和を保ってくれているのだから、立場とか身分とか関係なく接するのは当たり前だからな』

zm｢ぼくも、ししょうみたいなやさしい軍人さんになる…！！｣

『そうか、ゾムならきっとなれるぞ！』

そう言ってゾムの頭を優しく撫でると、ぎゅーっと嬉しそうに私に抱きつくゾム

そんな彼にヨーヨー釣りの釣り針を渡しやり方を説明すると、早速大きな容器に浮かんでいるヨーヨーに目を落とす

『頑張れ、ゾム』

zm｢ぼく、頑張る！｣

そう言ったあと、しばらくの間ゾムは水面を見つめていて良いタイミングを狙っているんだろうなと察した私はゾムのそばでヨーヨーが取れるのを待つ

zm｢……！！！！｣

次の瞬間、タイミングが来たのか、ゾムは初めてとは思えないほど器用に釣り針を扱い無事に緑色のヨーヨーを釣ることが出来た

zm｢ししょう…！見て！！！ヨーヨーさん取れた！！｣

『良かったな、ゾム！』

zm｢うん！ぼく、これ宝物にする〜！！｣

そう言ってヨーヨーを見つめながらふにゃりと嬉しそうに笑うゾムを見て、自分のことのように嬉しくなった私は彼のことを優しく撫でながら笑みを浮かべた

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