ほんものかっぷる。 緑

.20. ヨコくんのやさしさ ページ20

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side 横山









｢ じゃ、じゃあ、水族館 ｣


横 『 水族館？ 』


｢ ん、行きたい ｣


横 『 ん、行こか(笑) 着替え、取りに帰る？ 』

でも今あの家に戻ったらきっと色々思い出して、


横 『 俺ので良かったら貸すけど、』

恥ずかしそうにそう言って照れくさそうに笑うヨコくん。


｢ 貸してください、｣


横 『 ん、男もんしかないからな〜。
あ、これとかは？ 女の子も着れるんちゃう？？ 』

私にも、女の子にも着れそうな服とズボンを渡されて、


横 『 着替え終わったら呼んで？ 』

それだけ言って部屋を出ていく。


｢ ん、ありがとう ｣






・・




｢ ヨコくんっ！お待たせ ｣


横 『 待ってへんで、…っていうか 』


｢ ん？ ｣


横 『 ダボダボすぎん？ ごめん、そんなダボダボやと思ってへんかった 』


｢ 暖かいから嬉しいよ？ ｣


横 『 ほんま？寒なったら言うんやで、わかった？ 』

一瞬だけしゅんくんとあらたくんになった気分。


｢ はーい(笑) ｣


横 『 よし、行こか(笑) 』

水族館へは電車で20分。
座席に座る私の目の前にヨコくん。

｢ ヨコくん座らないの？ ｣


横 『 Aちゃんの前立ってた方が安心 』


｢ なんで？ ｣


横 『 痴漢、とかあるかもやろ 』

って、そういうとこはおーくまくんとそっくりだなあって考えながら恥ずかしくなる。


横 『 あ、ほら。あのオッサンめっちゃ見てんで 』


｢ 見てない(笑) ｣


横 『 見てる。うわ、上ダボダボやからかな？ごめんなほんま 』

とにかくどこまでも優しいヨコくんと電車に揺られ、


｢ 着いた ｣


横 『 ん、(笑) 』


｢ ほんとに、いいのかな？ ｣


横 『 学校休んだ罪悪感？ 』


｢ …ん、｣

それと、おーくまくんに酷いこと言ってしまった罪悪感。

そんなの、言わないけど。


横 『 どっちも大丈夫やって。ん、行くで 』

そう言って私の手を控えめに握るヨコくん。

肌、白いなあなんて。

って、なんでどっちもって分かったんだろう。


｢ ヨコくん手繋いでる所見られたら、｣


横 『 誰に？ 』


｢ え？ ｣


横 『 誰に見られたら困んの？ 』

って、そんなの、でも、あいつだって女の子の香水付けて帰ってきたし、


｢ …困んない ｣


横 『 ん、ほんなら今日はこのまんま 』

そう微笑むヨコくんと水族館デートSTART。






隆平お嬢!?どこおんの!?

隆平大倉も機嫌悪いし、なあ!お嬢!






・・

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