エラーが発生しました。【灰谷竜胆】

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しばらくの無言が続き、その気まずさに頭をかいて俯いた



中々、いい言葉が見つからずに居ると先に彼女の方が口を開いた












『……ねえ』

「なに？」

『あ、いやなんか、暗くなってきてない？』

「夜だし当たり前じゃねえの？」










また、沈黙



しかし数秒後、俺は再度彼女に肩を揺らされた












『違う、そういうんじゃない。
ねえ竜胆、どうしよう』

「だからどうし……」










先程より焦った声色の彼女に顔を上げれば、視界には真っ黒なクリスマスツリーがうつった




夢が黒で、塗り潰されていく














「……………あ？」

『、、りんどう』











ぎゅっと服の裾が握られて、Aの顔を視界に移せば、その大きな瞳からポロポロと涙が溢れだした












「大丈夫だから」












そっと彼女の頬に手を伸ばしたのなら、
ぐっと腕を掴まれた




振り解けるような力しかないはずなのに、痛いくらいに、強い力で。











『なに？これ』

「…………え」










視線を下に落とせば、血塗れた自身の服と真っ赤な手が目に入る















差し伸べた自分の手が



真っ白な彼女のマフラーには、あまりにも似合わなかった













『これは、ただの喧嘩？』

「……………」














自分で汚した自分の手が憎くて仕方がない














「………………ごめん」














夢にまで嘘をつかない正直者な訳では無い










ただ




きっと俺はこの道しか歩めない。

















『…………』














Aの目なんか見られはしなくて俯けば、先程までの髪色とは違う、パープルの髪がハラハラと落ちてくる











『…………別れよっか』













静かに告げられたたった六音に胸が張り裂けそうになった







なんで、どうして。






わかってるのに


しってるのに


そんな疑問ばかりが浮かんでは行く宛てもなく頭を彷徨く













「…………A、ごめん」

『…うん。じゃあね』














夢だったなどと忘れてしまう程には、余りにもリアルで。







黒い背景に吸い込まれていく彼女を見送ることすらままならなかった


















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