エラーが発生しました。【灰谷竜胆】

30 ページ31

・







蘭side












「おい灰谷。これ今月中な」

「はいはい」












三途から手渡された資料には仕事内容と顔写真。








一人一人確認するようにペラペラとめくっていけば見覚えのある女が目に入った。













「……………」














言葉を漏らすわけでもなく、目を見開くでもなく




一番最初に考えたのは弟のこと。










諦めさせるべきだと、そう思った。





だから帰りの車でぽつりぽつりと語る竜胆にストップをかけた。











だけど、











「おい、変更あったから新しい方な。間違えんなよ」














今日三途に変更があったらしい書類を渡されて、文面を見るなり考える暇もなくスっと携帯に手を伸ばした。


















「…………竜胆、今日のみいかね」
















弟からの返事はなかったけれど、
すぐに切れた電話の向こうでは、きっと、鍵もかけずに飛び出しているところだろう。














・

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す