【d!】ごちゃごちゃの缶詰【中編集】 (ページ33)

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脇役、舞台裏にて。〔（桃色）〕ページ33

※「向日葵色の主人公」のrbr視点

昼休みのチャイムが鳴ってすぐトイレに行った帰り、向かいに見知った顔が見えた。少し弾んだ胸の高鳴りに気づかないふりをして、彼女に話しかける。

「ん？Aやないか」

会話を始めればいじり、いじられ。もはやノルマとも言っていいほど毎回いじられる身長ネタを終えた後、彼女が片手に持っているランチバッグについて言及すれば、今から屋上で食べるとのことであった。

この機を逃すまいと適当に理由をつけて彼女との昼食の時間を確保することに成功した。自分の弁当袋を取ってくるために、騒がしい教室内に足を踏み入れる。

正直、あいつらにこうなった訳を話すことが一番の憂鬱であった。

教室の外に彼女を待たせているため、早く済ませようと、教室の隅の方で机を４つくっつけて購買で買ってきたであろうパンやら惣菜やらをビニール袋からごそごそ出している３人に声をかける。

「すまんなー、待たせてもうて」
「お、ロボロ帰ってきたか」
「随分長かったな！う〇こしてきたんやろ！快便やったか？」
「お前食事前にその話題やめろや！」

やいのやいの、と会話を続ける３人に、カバンの中から弁当を出しながら言う。

「すまんけど、今日昼一緒に食べれそうにないわ」
「おぉ、どうしたんや。部活のなんかか？」
「ちゃうけど。まぁ、とりあえずすまんな」

すぐに反応したコネシマにそう返すが、はっきりと理由を言わない俺を怪しんだゾムが、探るような視線を俺に送った後、「ははぁーん？」と顎に手を当ててにやりと意地の悪い笑みを浮かべる。

「なんや？女子にでも昼飯誘われたんかぁ？」
「おいおいおいゾムさん、こんな！こんな奴に限ってそれはないやろぉ！」

ゾムの肩を叩いてはんっ！と俺を見て鼻で笑った大先生にピキリと青筋が立つが、ここで正直なことを言っても余計に面倒くさいことになるのは目に見えていた。そのため、「うっさいねん」とだけ言ってその場から立ち去ろうとすれば、クラスの騒がしい奴が「ロボロロボロ！」とやけに興奮したようにこちらに駆け寄ってきた。