【d!】ごちゃごちゃの缶詰【中編集】 (ページ24)

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ノック練習の順番が終わった彼がチームメイトの元に走っていく。

合流してから、汗でぬれた髪を帽子を脱いでかきあげ、帽子をかぶり直そうとする。
その際に、上を見上げたらしい彼が動きを止めた。

不思議に思ってAは首をかしげるが、次の瞬間、シャオロンは彼女らがいる方に向かって大きく手を振ってきた。

花が咲いたような明るい笑顔に彼女はどきりと胸が高まったが、ぎこちない笑みを浮かべて振り返す。

その横でロボロは片手をひらりと挙げて返しながら、顔赤いで。と呟いた。

シャオロンがチームメイトに呼ばれて顔を背けたと同時に、すぐさま彼女がロボロの鳩尾にエルボーを決め込む。

「からあげ…出るわボケェ…」
「知るかあほ」

暑いから、はよ食べるで。と言う彼女をロボロはじとりと睨みつけるが、それ以上何も言わずに、他愛もない話題に花を咲かせながら昼食に箸を進めた。

校内に昼練中の野球部の掛け声が響き渡り、夏の日差しに暑苦しい野球部の掛け声がプラスされて余計に暑く感じる。
しかし、「暑いな。まじで。」と零す彼女は、それに負けぬほどの熱のこもった視線をグラウンドに送っていた。

「…あっついわ。ほんまに」

彼女の視線の熱を今、一番近くで感じている彼の頬に、1つ汗が伝った。