【d!】ごちゃごちゃの缶詰【中編集】 (ページ23)

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いただきます。と手を合わせてロボロ母特性唐揚げ弁当に箸をやる。Aはうぐ…とすこし言葉を詰まらせる。

ロボロには大方予想がついていたが、どこかで抱いている淡い期待から、それを口に出さなかった。

しかし、真っ赤になって俯く彼女の行動で核心をついてしまったロボロは、ため息をついて、少し乱暴に唐揚げを箸で刺した。

「料理系女子アピしたって、いつアイツに飯食わすねん。告白せな、獲られてパーやで。」
「はぁ！？ちがっ、くはない…けど…。てか、そんな不謹慎なこと言うなや…。
こういうところから女子力アピールせななーって。私、ガサツやし…

そ、それに...私らも部活は今が大事な時やし、今告白するとか、そんな...」

口ごもるAに、そかそか。はよ食わな休み時間終わるで。と声をかけて、ロボロは白米をほおばる。

冷たいなぁ、と言いながら口にスプーンを運ぶ彼女だったが、グラウンドからのある声にその手が止まった。

聞き覚えのある声にロボロも彼女もグラウンドを見れば、先ほどまで絶賛話題の中心であった人物がノック練習をしている最中であった。
炎天下の中の練習に汗を滲ませながら練習をこなしており、際どいボールもうまく捌いてキャッチする彼の姿は恋愛フィルターも相まって、彼女の目には特段かっこよく映っていた。

「はえー。ようやるわ。今みたいなテスト週間でも昼練はあるらしいで。今回に限っては部活も」
「まじか。でもまぁ、甲子園の地方予選、近いって言っとったしな」

彼女やロボロ自身も運動部には所属しているが、テスト期間はしっかり休みとなっていた。シャオロンの所属している野球部は、地区予選の試合が近いためか、昼練はもちろん、部活も普段通り行っていた。

「でも今日はグラウンドの整備かなんかで、部活はないって言っとったな」
「へぇ…流石ショート。一際上手いなぁ。かっこええな、やっぱり…」

燦燦と照らす太陽の下で向日葵色の彼がひたむきに努力を重ねている。

それだけでも絵になるというのに、こんなにキラキラした姿を見てしまっては、彼女の目線が彼に釘付けになるのは必然であった。