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「やっぱりあのメンツなんやね。ゾム君とか久しぶりに話したわ」
「あー、そうか。お前とゾム、クラスだいぶ離れとるもんな」
屋上への階段を上がりながら、2人で軽く駄弁る。
話題は先ほど会ったばかりの彼らだった。
ロボロの顏には教室前での不機嫌さはどこにもなく、あれがいつものことだとでも言うようにケロッとしていた。
大分錆びれた扉にロボロが手をかけると、ひどく軋んだ音を立てて重々しく扉が開いた。外から生暖かい夏の空気が流れ込んできて、体にまとわりつく湿気に2人は顔を顰める。
「あっつ…やっぱりクーラー効いとらんとこんなもんか…」
「どうする？やっぱり中で食うか？」
「いや、もう気分は屋上やから屋上にしようや…」
気分て…と言いながら、ロボロはフェンスの方に向かう彼女の後ろに着いて歩き出す。扉が大きな音を立てて閉まるが、2人とも慣れているのか眉ひとつ動かさず、フェンスの近くに座った。
屋上には他にも何人か先客が居たが、初夏の日差しの中、わざわざ屋上で昼食を食べる選択を取る者は少ないようだった。
はよたべよーや。と言いながらAはランチバックから弁当箱を取り出す。妙にそわそわしながら彼女が開けた弁当箱の中身はオムライスだった。おー！崩れてなかった！と言いながらスプーンを取り出す彼女にロボロが問う。
「なんや。あんさんえらくご機嫌やな。そんなにオムライス好きやったっけ？」
「オムライスは好きやけど、理由はそれじゃあないんよなぁ…」
待ってましたとでも言うように胸を張った彼女を見て、下手に質問したことを後悔したロボロであったが、時すでに遅し。彼女は弁当箱の中身を見せびらかしながらロボロに言った。
「このオムライス…実は私が作ったんですー」
「へーすごいやん。じゃあ次からは俺の分もよろしくな」
ふっふっふー、すごいやろー。気が向いたら作ったるわー。とロボロの棒読み評価を気にも留めていない彼女を尻目に、ロボロも自身の弁当の蓋をはずす。
ちらりとAの方に目をやれば、女子にしてはやや大きな彼女の手に真新しい絆創膏が貼られているのが目に入った。少しため息をついて、ロボロが彼女に問いかける。
「でー？どういう心境の変化があったんや？」
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作者名：白詰クサ | 作成日時：2024年2月26日 23時
