向日葵色の主人公〔黄色〕 ページ19
※「茹だる瞳に蓋をして」同様、他メンバーの出番が多いです。それでも許せる方はご覧ください。
※夢主が関西弁です。
※一瞬ですがモブ(女)が出ます。
太陽が輝けば、向日葵はその美しさを十分に魅せ、太陽が雲に隠れれば、向日葵は首を垂れる。向日葵を主人公にするのは、たった一つの太陽のみ。
燦燦と輝く太陽の眩しさに、向日葵は笑いながら目を細めた。
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時計の針がカチリと動いた数秒後、4限目終了のチャイムが校内に響き渡った。待ちに待った昼休みに、教室内はガヤガヤと騒がしくなる。
号令を終えてすぐに購買へ走る者、カバンから弁当を取り出す者、グループで机を動かし始める者など、各々が昼食を食べる準備を始める中、いつもは仲の良い友達と2人で昼食を食べるAはランチバックを片手に思案していた。今日、いつも彼女とともに昼食を食べる友達が風邪をひいて休みだったのである。
風邪とは無縁としか思えないような友人からの欠席の連絡に驚いたのは今朝の事だった。
いつもなら教室で椅子のみ動かして1つの机に2人分の弁当を並べて過ごしていたのだが、生憎今日はそれができない。
クラス内にほかに仲が良い人がいないわけではないのだが、ボッチ飯を見られたくないという完全に個人的な理由で仲良しグループに異物を入れてもらうのも気が引けた。優しい彼女たちの事だから笑顔で受け入れてくれるのだろうが、中にはあまり話したことのない子だっている。変に気を使ってもらうのはむしろ彼女たちにも悪いと思った。
久々に屋上でご飯でもたべるか、と思い立ったAはランチバックとスマホ、財布を持って教室を出た。
1年の時、幼馴染と同じクラスだった彼女は、幼馴染と一緒によく屋上で昼飯を食べていた。2年に上がってクラスが変わってからは二人で食べることもなくなり、屋上に向かうことは殆ど無くなっていた。
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作者名:白詰クサ | 作成日時:2024年2月26日 23時