＊ ページ2
先生の雰囲気で感じ取れた。
かなり、危ないのかも。
“岡山県は晴れの国。
台風さえも避けていってしまう。”
これは岡山県民なら誰しもが知っている事実。
私達は台風の暴風域に入って学校が休みになったことがない。
だからこそ、油断していた。
“どうせ、今回も大丈夫”
誰もが思っていた。
このあと、どうなるかも知らずに。
＊＊＊
「今日はテストをしたあと、すぐに下校するように」
職員会議で決まったことを素早く説明された。
ただ、これは一時的な報告。
先生はこのあとも会議があるらしい。
「また決まったことがあったら、報告します」
先生はそう言い残して足早に去っていった。
『なんか、大事っぽい、ね』
静まり返った教室で、私の声がポツリと漏れる。
「んー」
「ヤバいかもね」
クラスメイトの賛同もあり、不安が募る。
「でも、とりあえずテストに集中しよっか」
誰かの一言で、私達はテストに集中した。
＊＊＊
テスト後。帰りの準備中。
結局、電車組は間に合わなかった。
途中で諦めて帰った人もいれば、ギリギリまで待った人もいる。
けれど数人は車で送ってもらったらしく、来れていた。
「帰りどうしよ」
「道、めっちゃ混んどるが」
窓から見える正門の様子。
『うっわ』
どこを見ても車、車、車。
むしろ人が通れる道がない。
『帰りに門から出られんがな』
「南門から出れば？」
『私、歩き。あと方向真逆』
遠回りして帰らなければならなくなり、ため息をついた。
その時、校内放送が流れ始める。
“生徒へ連絡します。
本日のみ、校内での携帯電話の使用を許可します。
今すぐ保護者の方に連絡を取ってください。繰り返します・・・”
私は徒歩通だし、関係ない。
そう思って教室を出ようとした、その時。
一斉に警報が鳴り響いた。
ピロリロリン、ピロリロリン
「避難、勧告・・・」
学校から離れた地域の避難勧告。
けれど、その地域に住んでいる人だってこのクラスにいる。
ピロリロリン、ピロリロリン
続けざまにもう一度警報が鳴った。
「近い・・・」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：smile | 作成日時：2018年7月7日 11時
