私の隣の男子は狼男子。

12 ページ14

千絋side

その日の放課後、俺はあいつの正体をあばくための作戦を考えるため、いつもの土手に行くことにした。


(あそこなら人がいる方が珍しいし、月も見えるからちょうどいいな。)

10年前に俺が見つけた場所。

(久しぶりに行くな。)


そろそろ満月が出る時間だ。


.


.


.


土手に着いた頃には、もうすぐ黄昏時が終わる時間だった。

バケモノの俺の場合、バケモノになった時が1番物事が考えやすい。

だからここに来た。

俺は座り込み、じっと月を見た。

月を見ることだけに集中して、そして無心に。

体がゾワゾワしてきてら耳と尻尾が生えた。


.


.


.


.


.


.


.


.


.


.


『え、月島さん？』





声がしてハッと振り返った。あいつが、Aがしまったと口を押さえていた。

ちょうどその時俺の目は、焦げ茶から赤に変わる瞬間だった。


俺を見るなりAは、倒れてしまった。


(え、A？)

Aの体は動かない。

ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。

俺はAに近づき

千絋「おい、A！しっかりしろ！」


叫んでも体を揺すっても起きない。


(クソ、家につれて帰るか。栄治さんと実春さんが応急の手当てをしてくれるだろう。)

俺はA背負って家に向かった。

〜お知らせ〜(大したことではございやせん。)→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す