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｢…赤髪の女？｣
｢巷話題だぜ、あんた知らねぇのか？｣
｢あの女が？｣
｢なにも、元帥のことを“じじい”と呼ぶとか｣
｢比喩じゃねぇか｣
｢お待たせ致しました、Aプレートおふたつです。｣
｢おおっ、噂をすれば。｣
｢噂…ですか…？｣
…赤髪の女って聞こえた気がする。
嘘、気の所為に決まってるよね…うん。
｢クイネラちゃんが本当に赤髪の女なら面白いの他なんも無いけどなぁ。ははっ｣
｢笑えねえ冗談言うな｣
｢あははは…スモーカー様…｣
苦笑いでそう名を呼んだのは白猟のスモーカー。
海軍の若き有力な戦士であり、
私たち赤髪海賊団を追う海兵の一人…。
会ったことはないし私の情報を出さないことはお頭が徹底してるから大丈夫だとは思うけど。
｢お前からもちゃんと否定しとけよ、クイネラ｣
｢…否定してどうにかなる噂ですかね…へへ｣
｢さぁな｣
笑いながらもここで私が赤髪海賊団だって分かったらすぐに動けるのだろうと素人ながらにもわかるぐらい、私という人物は特異で怪しまれているようだった。
｢(…まぁ、マリージョアなんて一般人も来たくはないだろう)｣
そしてそんな予想を確定すげるようにコップに注がれたシトラスティーを一口で飲み干すとスっと鋭い目を向けながら彼は言った。
｢まぁ、あのじいさんたちをじじいと呼べんだろ？赤髪なんて怖くねぇよな。｣
｢…噂でしょう？｣
｢どうだがな。うちは耳がいいやつが沢山いるもんでな。｣
｢海賊にも負けないじゃないですか。｣
苦笑いを早急に決め、早くその目から逃れたくてどうにかこうにか頭を回す。
｢！！コップが…ｯ…お怪我はありませんか？｣
｢あぁ、あんたは？｣
｢大丈夫です、｣
瞬間、バリンと後ろから音がする。
割れたのは賑わう食堂の机で行き場のなくなってしまった水のコップ。
｢(…ラッキー)｣
割れたコップの破片を片付けるのを口紡ぎにその場を去った。…後ろからの目線は、気にしたくなくても気になっちゃうけど。
｢…あいつが赤髪の女だったら面白いって言ったよな？｣
｢いや冗談だって。｣
｢少しわかる。｣
｢…は？｣
｢コップわざと落として俺から逃げる奴なんて、たしぎでもそんなことしねぇよ。｣
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作者名：星雫 | 作成日時：2022年8月11日 10時
