私の方がモテるけど２【青葉城西】

44 事情 ページ7

赤葦side




『彩瀬佳奈子です。雀田さんと白福さんには
及びませんが、今日一日、精一杯みなさんを
サポートするので、よろしくお願いします！』


梟谷｢｢お願いしぁーっす！｣｣


やっと(と言ってもまだ3日目だが)彩瀬さんが
梟谷に回ってきた。


(小鳥遊さんのあの甲高い声援が無いと思うと
清々すr…………おっと、つい本音が)


でも、本当に昨日は鼓膜がどうにかなりそうな
声を聞き続けていたから、今日は彩瀬さんの
落ち着いた声に耳が癒されていくような気分だ。


兎｢今日もよろしくな、佳奈子！｣


(え、名前呼び羨ましい…………じゃなくて)


｢木兎さん、“今日も(・)”って、
どういう意味ですか？｣


昨日は小鳥遊さんがウチの担当だったことくらい、
流石の木兎さんでも分かっているはずだ。


兎｢え？だって、昨日も小鳥遊ちゃんの代わりに
佳奈子がこっちのドリンクとかタオル
用意してくれてたよな？｣


(まさか、あの鈍感な木兎さんが
気づいてるとは……………)


木兎さんには失礼だけど、意外だ。


兎｢小鳥遊ちゃんに仕事させなくていいのか？
青城の主将とか副主将が知ったら怒るだろ？｣


『そうなんだけど…………あの子が仕事しても、
周りへの被害が大きくなるだけだからさ〜』


まるで仕方ない、とでも言うような
言い方だけど、解決方法は簡単なはずだ。


赤｢それなら、マネージャー辞めてもらえば
いいんじゃ…………？｣


『“仕事をしないから”だけだと、
部活を辞めさせる理由としては弱いでしょ？
だから、ちょっとした問題でも起こしてくれたら、
すぐに強制退部させられるんだけど…………』


｢…………？｣


(一昨日、彩瀬さんに水をぶっかけようと
してたのも、十分問題だと思うけど……………)


『でも、他校に迷惑はかけられないから、
合宿中は大人しくしてて欲しいんだよね』


｢ああ、なるほど…………｣


つまり、合宿中は困るけど、
合宿の後なら構わない、ということらしい。


兎｢俺は難しいことは分かんねぇけど、
マネージャーも大変なんだな。ま、頑張れよ！｣


他校の事情に首を突っ込むべきじゃないのは
分かってるけど、話を聞いてしまった以上、
少しは彩瀬さんの力になりたい。


｢俺に出来ることがあったら、言ってください｣


『うん。2人とも、ありがとう』

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