私の方がモテるけど２【青葉城西】

58 味方 〜松川side〜 ページ25

松川side




『一静、さっきブロックのとき
顔しかめてたけど、大丈夫？』


｢うっ、やっぱ気づかれてたか…………｣


あの及川でさえ気づかなかったんだから、
コートの外にいる佳奈子が気づくはずが無いのに。


｢どんだけ俺のこと見てんだよw｣


『見てるよ？一静だけじゃなくて、みんなをね』


遠回しに、俺だけが特別じゃないってことを
言われてるのは分かってるけど、それでも、
否定されなかったのは素直に嬉しい。


それに…………


｢そんな申し訳なさそうな顔すんなよ。
お前がまだ誰か一人を選べないことくらい、
分かってるからさ｣


笑っているのに、瞳の奥は悲しそうに揺れている。
俺たちとのことを真剣に考えてくれている証拠だ。


確かに俺らは佳奈子のことが好きだけど、
だからこそ無理強いするつもりはないし、
佳奈子の気持ちを尊重してやりたい。


(まあ、だからって、諦める気は無いけどな)


｢あ〜〜〜、急に痛くなってきた。
こりゃあ、佳奈子に手当してもらわないと
治らねぇな〜〜〜｣


湿っぽい空気を打ち消すようにそう言うと、
クスッといつものように佳奈子が微笑む。


『もう、仕方ないんだから〜』


そう言いながら慣れた手つきで
俺の手に包帯を巻いていく佳奈子を見ていたら
ふと視線を感じて、顔を上げる。


｢……………｣


『？一静、どうし…………ああ』


その視線の主は、(まあ大体予想はついていたが)
萌絵だった。


｢お前も大変だな、佳奈子。
俺らに愛されてるせいで
あんなに嫌われちゃってさ｣


『あはは、まぁねw』


｢なんでちょっとドヤってるんだよw｣


なんてふざけながらも、
佳奈子に気づかれないように
こっそり萌絵を睨み返す。


(佳奈子に何かしたら
ただじゃ置かないからな、萌絵)



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数ヶ月ぶりの更新です！


留守にしていた間に
お気に入り登録・評価してくださった方
ありがとうございました！


これからは定期的に更新したいと
思ってるので、よろしくお願いします٩(ˊᗜˋ*)و

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