私の方がモテるけど【青葉城西】

25 天使 ページ30

雀田side




『お隣失礼するね〜』


そう言って右隣の蛇口をひねったのは、
木兎や木葉が話していた超美人マネこと、
青城の彩瀬佳奈子ちゃんだった。


白「あ〜、もしかして、佳奈子ちゃん？
ホントに美人さんなんだね〜」


『ふふっ、ありがとう〜♡
2人は、梟谷マネの雀田かおりちゃんと
白福雪絵ちゃんだよね？よろしくね〜！』


ニコッと笑った佳奈子ちゃんを見て、
花が咲いたような笑顔って、こういうのの
ことなんだなぁ〜、って思った。


「あっ、そういえば、青城って確か
もう一人マネージャーいなかったっけ？」


白「あ、そ〜そ〜、なんか可愛い感じの娘〜」


『うん、いるよ〜！あの娘、ホントに
カワイイヨネーww』


なぜか爆笑している佳奈子ちゃん。


「あれ？も、もしかして、仲悪い…………？」


反応からしてそうだと思ったんだけど、
佳奈子ちゃんはキョトン、として大きな目を
ぱちくりさせていた。


『ｸｽｯ……う〜ん？仲が悪いっていうよりは、
どちらかというと、あっちが一方的に私を
嫌ってる感じかな〜？ついでに言っとくと、
たぶん萌絵ちゃん、部員から愛されてる
マネは基本嫌いだから、2人も気を付けなよ〜w』


佳奈子ちゃんは笑いながら言ってるけど、
たぶん、言ってる内容は笑いごとじゃない。


白「2人"も"ってことは、佳奈子ちゃんも
嫌がらせされてるんだよね？大丈夫なの〜？」


『ん？全然大丈夫だよ〜？だってあの娘
おバカちゃんだから、私にちゃんとした
嫌がらせ出来たことも無いんだもんww』


白「うわぁ、佳奈子ちゃんヒド〜イw」


これは予想でしかないけど、たぶん嫌がらせ
"出来ない"んじゃなくて、佳奈子ちゃんが
"させない"んだと思う。


何かそう思う理由があるわけじゃないけど、
同じ女子だからなのか何なのか、何となく分かる。


佳奈子ちゃんはたぶん、人よりすごく賢いし、
それを上手く活用できるタイプ。


だからその萌絵ちゃん？は、佳奈子ちゃんには
適わないんだと思う。


「萌絵ちゃんって子、なんか可哀想…………」


別に同情するんじゃないけど、
そう思わずにはいられなかった。


白「うん、私もそれ思ってた〜w」


『私も、そう思うよ』


ふふっ、と愉しげに笑った佳奈子ちゃんは、
例えるなら、綺麗な天使の顔をした
悪魔のようだった。

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