私の方がモテるけど【青葉城西】 (ページ21)

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17 副主将ページ21

佳奈子side

『みんな起きて～！着いたよ～！』

英と萌絵ちゃん以外はぐっすり眠っているので、
大きな声で後ろに呼びかける。

みんながモゾモゾと起き出す中で、
ピクリとも動かない人が、一人。

『徹！と～お～る～！お～きて～！』

及「んん…………？」

『徹～、起きてってば～！』

及「んん………ｽｩ………」

……………おかしい。

いくら徹でも、いつもはここまで大声を
出さなくても起きるのに。

『………………あ』

あることを思いつき、完全に無防備な状態の
徹の耳に、ふぅ～、と息を吹く。

及「ぎゃっ!?」

ビクッと肩を震わせて飛び上がった徹。

『ふふ、やっぱり起きてた。
ほら、さっさと行くよ～』

及「あ、佳奈子ちゃん！置いてかないで～！」

「待って～」と言いながらバタバタ準備している
徹をバスに置き去りにして、他校の人を探す。

？「あ、青葉城西のマネさんですか？」

話しかけてきたのは、梟谷のジャージを着た
落ち着いた雰囲気の男の子だった。

『え？ああ、梟谷の副主将さんだよね？
青城マネの彩瀬佳奈子です。今日からよろしくね』

？「梟谷2年の赤葦京治です。でも、どうして
俺が副主将だって知ってたんです？」

『今回の合宿に参加する学校の
レギュラーメンバーのことは、
大体調べて来てるからね。顔と名前と、
背番号とポジションくらいだけど』

まあ本当は、一人ひとり、どんな選手なのかまで
こと細かく調べ尽くしてるんだけど、流石に
自慢みたいになってしまうので、止めておいた。

赤「え、それはすごいですね。
あ、主将はその…………ちょっと
元気すぎるので、後で紹介しますね」

『ああ…………』

確か、梟谷の主将は、木兎光太郎くん。
全国で5本の指に入るエーススパイカーだけど、
テンションの上がり下がりが激しいらしい。

『そっか、分かった。ウチの主将も
かなり面倒くさいと思うから、
今は呼ばないでおくね』

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛ………

赤「あ、音駒が来たみたいですね」

『ほんとだ。私、挨拶に行ってくるね』

赤葦くんをその場に残し、
音駒のバスが停まったところに走った。