୨୧ ページ27
.
「…え、もしかしてともさん怒ってたの…？」
『ううん。全然。いつも通りゆるーってしてた』
「じゃあなんで遅かったんです？」
『なんか、声掛けられちゃって。それで色々遅れちゃった』
「「は？」」
アイザワさんとの顛末を話そうとしたが、2人の声に圧を感じて私は固まった。可愛らしいお店に全く似合わない声が、彼女達から聞こえたような気がするのは私だけだろうか。
選んだ席は丸いテーブルだったため、斜め前から2人の視線がぐさぐさ刺さる。きゅっと眉を寄せたぺんちゃんと、目を細めてじぃとこちらを見つめるしにちゃんの顔がよく見えた。
『あの、2人とも…？』
「ねえ、誰。誰に声掛けられたの」
テーブルに手をついてこちらに身を乗り出すようにするぺんちゃん。いつもなら『行儀悪いよ』くらい言えるのに、今日は何故か言えなかった。2人にちゃんと説明しないと許されないような雰囲気を感じた。
ぐさぐさ刺さる視線に、『えっとー…』なんて呑気な声を洩らしながら、考える。もう既に地雷は踏んでいそうだが、これ以上踏まない為にも言葉を間違えてはいけない。
2人に嫌われるのは避けたい。
『…前、前ね、街で困ってる人助けて。その人がお礼言いに来てくれたの』
「A先輩その人に名乗ったんですか」
『いや、それはしてないけど…』
人を助ける時にいちいち名乗るなんてしない。聞かれてもその質問には答えない。
「じゃあその人、A先輩の事どうやって見つけたんですか」
『わ、わかんないよ…』
「ストーカーとかじゃないの？大丈夫？」
『そんな雰囲気は感じなかったけど、』
ふわふわと可愛らしい笑顔を浮かべたアイザワさんの姿を思い出し、そんなストーカーじみた事をする人のようには思えなかった。
「でも実際Aの元に辿り着いてるんだし、ヤバいんじゃないの？」
「こっからストーカーになる可能性だってゼロじゃないですよ！」
『えぇ〜…』
何故2人がこれほどまでにアイザワさんを敵視しているのかは分からない。だが、このままでは彼女達の中でアイザワさんが危険人物に認定されてしまうのは時間の問題だ。
私もなんだかアイザワさんの事は嫌って欲しくないと思っていたので、どうにか2人の勘違いを解きたくて、頭を回転させる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 869人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんず(プロフ) - しろさん» コメントありがとうございます！そうですよね…「お父…様、？」とすぺきゃをかましましたよ…。やっぱり別派生からお名前拝借するのアリですよね…。一から考えるよりお手軽で。ご提案助かります😊🙏 (2月25日 10時) (
レス) id: 97349c3877 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 分かります分かります！私もあの一言で数分ほどフリーズしていました…登場してもしなくてもお話は美味しいのですが、もし登場させるのなら他の方が仰っているようにお名前だけㅁ兄鬼やwr式等の動画から拝借するのはどうでしょう？ (2月19日 1時) (レス) @page30 id: b1c40a48ed (このIDを非表示/違反報告)
シユ(プロフ) - いつも楽しく見ております!一つ提案なんですが出す場合は名前がご本人様とお嬢様で被ってしまうので名前だけwr式のどれかから貸りるもしくは新しく作るというのはどうでしょう?性格はもちろん普段のご本人様達で構いません。出さない場合ももちろん素敵だと思います! (2月18日 11時) (レス) id: 22aa8623f5 (このIDを非表示/違反報告)
快晴(プロフ) - 私は出しても構わないと思います！！それにぽんずさんが出したいならぽんずさんの作品なので好きなようにして良いと思います！！！🥂✨ (2月18日 10時) (レス) @page30 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙(プロフ) - お嬢様の百合ゆりしい世界感を保つのも素敵だと思いますわ！ (2月18日 10時) (レス) @page30 id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
