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「夏油。お茶買って〜」
「夏油。アイス食べたい」
「夏油」
今年の誕生日を迎えてからというものの、私の朝の一言は『おはよう』から始まり二言目に『夏油』三言目に『夏油』もはや主語は『夏油』だ。
先日、硝子から夏油がどうやら私に不満があるとの情報を仕入れ、その理由が『手を出さないから』との事だったので念には念をと思い夏油に再確認して頭をゲンコツで殴ったら夏油が静かにブチ切れたのであまりの怖さにちょっと涙出たのは内緒。
硝子曰く『言葉をそのままの意味で受け取るな、キミはもう少し国語を勉強すべきだよ』大笑いされながら指摘された。
「言葉なんだから素直に受け取るのが人じゃないの？！｣
「それはそうなんだけど。Aは人の感情の機微に疎いと言うか、話を聞かないフシがあるからな……うーん……もっと簡単に言うなら、相手がどんな表情をしているのかに注目すれば夏油ボコした事件。みたいな事は無くなると思う｣
「表情……」
言われてみると、確かにあの時の夏油は殴って欲しそうな顔をしていなかったな……あの表情には何度も見覚えがある。私と二人きりの時とか、それこそ誕生日のあの夜の時みたいな。
「ま、私としては夏油とAの噛み合っていないやり取りは見ていて楽しいし減るものじゃないから構わないけど、そのうち爆発しそうだからさ｣
「え？？ なになに？｣
夏油が時折私に向ける、普段とはやや異なる熱を帯びた眼差しの意味を考えていた私には、この時の硝子の声は届いていなくて。聞き返したところ、硝子は首を振って『なんでもないよ』と、教えてはくれなかった。
＊
「＿＿＿＿A？｣
名前を呼ばれてハッと声の主を見ると、困ったように眉を下げた夏油が買ってきてと頼んだお茶を私に差し出していた。
「何度も名前を呼んだんだけど反応がないから心配したよ……考え事かい？」
「うん。そーなの」
「よければ私が相談に乗るけど……ああ、言い難い事だったら無理にとは聞かないよ」
「いやー、夏油のことを考えていたんだけどさ」
「えっ……」
ガラガラ、ガッシャーン。
派手な音を立てて私の机の上からノートやらペンケースやらが落ちた。
「え？！ げ、夏油大丈夫？！」
「ああ……うん、大丈夫｣
大丈夫。と言う割には心做しか頬が赤い気がするんだけど……。慌てて床に散らばったペンを集めた夏油が椅子に座り直し口を開いた。
「……それで、その、私の事っていうのは？」
「先日みたいな誤解がないように夏油の表情から言葉の意味を汲み取ろうと思って｣
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愛(プロフ) - あさん» はじめまして。コメントありがとうございます。面白いと言って頂けて光栄です☺️💕🙇♂️ (10月23日 18時) (
レス) @page15 id: 259fa0886e (このIDを非表示/違反報告)
あ - すごく面白かったです！ (10月23日 18時) (レス) @page16 id: ba86f2a0b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛 | 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/dear_utsuk?utm_medium=url_text&utm_source=pro...
作成日時：2023年9月6日 2時
