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本日の主役であるAの部屋には、夏油と主であるAの二人きり。
大食堂にて開かれた誕生日パーティーが終わり、何時もなら彼女の部屋で就寝時間まで話し込んでいる硝子も、ゲームを持ち出す五条の姿もそこには無い。
五条と硝子なりの、同期カップルへの空気を読んでの行動だった。
皆から渡された誕生日プレゼントをキラキラと目を輝かせながら手に取っては開け、開けては大興奮で感想を述べる彼女をニコニコと笑顔で見つめる夏油にはある野望があった。
夏油は皆がそれぞれのタイミングで誕生日プレゼントを渡す中、まだ彼女にプレゼントをあげていない。そして今も夏油は彼女に渡す筈のプレゼントは手中にはなく、忘れた。という素振りも全くない。
「あのね、A。私からもプレゼントがあるんだ」
「え?! 本当に?!」
袋を漁る手を止めた彼女が期待に満ちた瞳で夏油を見つめる。『うん本当だよ』そう言って微笑む夏油の膝上に出来た握り拳は、実を言うとひどく汗をかいている。
夏油は自分が用意してきた " プレゼント " を渡すことを緊張しているのだ。しかしそこを悟らせないのが夏油傑という男、目の前の彼女は何ら疑う様子は無い。
「……あの……その、ぷ、プレゼントって、い、言うのはね、」
プレゼントの話題になった瞬間、夏油の様子に分かりやすく変化が訪れた。目線はあちこち動いて落ち着きがないし、言葉が上手くまとまらないのか吃るばかり。
「夏油体調悪い? ごめんね気づいてあげられなくて!」
「ちが、そ、そうじゃないんだ! 体調はすこぶる良いよ、そうじゃなくて…………あの、ぷ、プレゼントっていうのは、 " 私 " なんだ」
夏油は顔だけでなく耳までも真っ赤に染め上げ、大きな身体を縮めるように俯き、切れ長の瞳はかたく閉じられている。
__もしもここで、彼女が否定したら私は大人しく部屋に帰ろう
だから早く沈黙を打ち破って答えて欲しい。
そんな夏油の思いが届いたのか、『夏油』と、名前を呼ばれて夏油は恐る恐る顔を上げた。
「じゃあ手始めに飲み物買ってきて? あ、コーラね。それから戻ってきたら肩揉みよろしく。それからさあ、私課題のプリントまだ終わってないから後で丸写しさせてね」
「____え?」
確かにプレゼントは『私』と言ったけれど。
そういう意味じゃない!!
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愛(プロフ) - あさん» はじめまして。コメントありがとうございます。面白いと言って頂けて光栄です☺️💕🙇♂️ (10月23日 18時) (レス) @page15 id: 259fa0886e (このIDを非表示/違反報告)
あ - すごく面白かったです! (10月23日 18時) (レス) @page16 id: ba86f2a0b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛 | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/dear_utsuk?utm_medium=url_text&utm_source=pro...
作成日時:2023年9月6日 2時