記憶 2 ページ26
幸せな記憶って、あまり覚えてないもんだよね
この夏祭りくらいなのかも。
思い出そうと記憶を辿っても、出てくるいい思い出はこれくらい
あとは、真っ赤になった手で手を伸ばしてくる母と、人殺しと呼ばれた父の、血の気のない顔
母が死んだんだと認識したのはお風呂場
ふたりの関係が上手くいってないことくらい、高校生だったから直ぐに察した
離婚、なんて、このご時世珍しいことでもないから、いずれ自分の家もその道なんだろうな、って思ってた
毎日喧嘩をするし、大きな音だってする
いつから、道を間違えたのかは分からないけど
いつの間にか、ふたりの間に、楽しそうで、幸せそうな笑顔は見られなかった
和｢母さん？どうしたの、それ･･･｣
｢なんでもないよ、大丈夫｣
代わりに、貼り付けたような、硬い笑顔が見えるようになっていた
和｢ダメだよ、手当しよ？｣
｢いいの、和。大丈夫だから｣
台所に座り込む母の左腕からは、真っ赤な血が線を書いて流れ落ちてくる
タオルで抑えてあげれば、震える手で、大丈夫だから、と、拒否してくる
和｢母さん、どうにかしなきゃ･･･｣
｢いいの。大丈夫。私が頑張るから。和はいいの。気にしないで？何も心配いらないから。大丈夫だよ？｣
和｢父さんどこ行ったの？、ちょっと、行ってくる｣
｢ダメ！！！！｣
｢･･･だめ、和、だめ･･･ここにいて、だめ･･･｣
和｢･･･かあさん、｣
｢ここにいて･･･｣
大丈夫なんかじゃないのに
全然大丈夫じゃないのに
なんであの時、ちゃんと、母さんに手を伸ばさなかったんだろう
なんであの時、父さんを止めようと、必死にならなかったんだろう
どうして自分は、今もここに居るのだろう
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泪(プロフ) - Aiさん» 大変お待たせしてしまって申し訳ないです。リクエスト、ありがとうございました！ぜひこれからもお付き合い下さい。遅くなって本当に申し訳ないです。これからもよろしくお願いします！ (2020年6月29日 22時) (
レス) id: 28b20217ed (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - 千智さん» 今日の夜、メッセージを送ろうと思ってました･･･(笑)コメントありがとうございます。ほんとに遅くて申し訳ないんですが、気長にお待ちいただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2020年6月29日 22時) (レス) id: 28b20217ed (このIDを非表示/違反報告)
Ai(プロフ) - お話とってもよかったです！！ありがとうございます！！ (2020年6月29日 22時) (レス) id: 330ee8e192 (このIDを非表示/違反報告)
千智(プロフ) - 更新ありがとうございます。また読めて嬉しいです^_^ (2020年6月29日 17時) (レス) id: 5441d66b3a (このIDを非表示/違反報告)
泪(プロフ) - しほほんさん» 更新してません。お話貯めてます。すみません。 (2020年5月20日 13時) (レス) id: 28b20217ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泪
| 作成日時：2020年5月5日 9時
