White salt boy

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涼太 side


Aとの練習は1時間ほどで終わった。


「今日はお疲れ様！また明日ね。」


涼太「うん、また明日！」



事務所から家へ帰るまでの道のりがいつもより長く感じられた。



ガチャ


涼太「ただいま。」


誰もいない家に声を掛ける。


これは俺のマイルール。


いつか “おかえり” って笑顔で出迎えてくれる人が出来たらいいなぁ。



そんなことを考えつつ、冷蔵庫の中からキンキンに冷えたビールを取り出し一気飲みする。


涼太「あぁ。」


あっという間に飲み干してしまった缶を捨て、新しい缶を取る。


ついでにおつまみも取りソファーへと移動する。



涼太「...」


頭の中に真っ先に浮かんでくるAの姿。


...愛しい。



始めは、玲於に対するちょっとしたいたずら心からAのことが好きだと口にしたけど...今は違う。



俺は本気で好きになってしまった。


ここ2日間のうちに信じられないくらいの速さで彼女に溺れていく自分。



いや、実はもっと前から好きだったのかもしれない



そんなことを考えている内にお酒はどんどん回ってきて...


意識は途切れた。






涼太「...ま、眩しい...」


気付いたら朝だった。


開けっ放しのカーテンから大量の日光が注がれている。



ああ、俺寝落ちしたんだ。


ソファーの横に転がっている缶ビールと、おつまみの残骸。


重たい体を起こし急いで片付ける。



...こんな時、Aがいたら。


溢れてくる彼女への想いをぎゅっと胸に押し込んで、俺はシャワーを浴びに洗面所へ向かう。



涼太「王子様、か...」


鏡に映る自分。


むくんでしまった顔をペシペシ叩いて喝を入れる。



“玲於なんかに負けるもんか”


そう言い聞かせて服を脱いだ。

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