9.A 0210 ページ9
吐き気が落ち着いてからも少しだるさが残っていたらしい翔ちゃんは、ぽーっとしながら次の衣装に着替えるとまた少し横になって休んでいた。
そっとおでこに手を当てるとほんのり伝わる熱さに胸がきゅーっとなる。
いつもはなかなか体調を崩さない分、心配は尽きないけど。
「失礼しまーす、お時間です。」
「はーい」
「じゃあ行きますか。」
「うぃー」
こういう時の休憩時間は思っているより早く時間が過ぎて、もう次の収録が始まってしまう。
伝えに来たマネージャーに翔ちゃんがさっき具合を悪くした話を説明すると、ひどく心配な顔をしながら、薬を買っておきます、と言った。
ぼんやりまどろむ翔ちゃんに声をかける。
「翔ちゃん、行ける？」
「ん…行ける行ける、ごめんね。」
楽屋に入ったときよりは少しだけよくなったのだろうか、しんどそうに起き上がりつつも、足元はしっかりしていた。
「無理しないでね、きつくなったらちゃんと頼るんだよ。」
「うん、ありがとう、申し訳ないね…」
「全然！大船に乗ったつもりで、ね！」
「あははっ、ありがとう。」
ほんのり赤いほっぺで笑う翔ちゃんは、微熱でぽわっとしているからか、ちょっと酔った時みたいに…かわいい。
頭をわしゃわしゃと撫でてあげると、少し驚いたように照れていた。
2本目の収録もご馳走デスマッチ。
さっき戻したばかりの翔ちゃんが心配でチラチラ確認していると、ばっちり目が合った。
(大丈夫？)
(大丈夫、ありがとう。)
アイコンタクトで伝えてくる翔ちゃんに少し安心した。
「はい櫻井さん！」
「店長がふられた！」
「ちがーーう！！」
あはは、という笑い声がころころ響く。
持ち直してよかった。
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花(プロフ) - るりかさん» るりかさん、コメントありがとうございます！有難いお言葉ばかりで恐縮です…とても嬉しいです！お話が収まり切らなくて続編に突入致しましたので、是非読みにいらしてください(^^) (2018年3月5日 0時) (
レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
るりか - はじめまして。私もこっそりお邪魔している一読者です。ホントに文章やセリフがリアルに迫ってくるので、本気で翔さんのことが心配になってきてます(^^;。花さんの文章のファンになりました。これからも執筆楽しみにさせてもらっています。でもご無理のない範囲で(^^)。 (2018年3月3日 11時) (レス) id: 8c381e902d (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 花序さん» 花序さん、コメントありがとうございます！温かいお言葉とても嬉しいです(^^)そろそろお話も終盤なので、最後まで読みに来て頂けたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2018年3月2日 8時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。ひっそりこっそり毎日覗きに来させていただいてます(笑)巧みな文章にどんどん引き込まれてドキドキしながら読んでます！Sさんの病系が好きなので、今後の展開がとても楽しみです。無理なくマイペースに更新されて下さいね！応援しています(^^) (2018年2月28日 0時) (レス) id: 62c126ed99 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - しょうこさん» しょうこさん、初めまして！コメントありがとうございます！この分野は狭めのニッチでやっている自覚があったので(笑)、同じように感じてくださる方がいてくれて嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (2018年2月19日 20時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花 | 作成日時：2018年2月8日 21時
