48.M 0302 ページ48
夕方。もう日も落ちて、そろそろ夜が来る頃。
コンコン、とノックをすると、はーいと、想定しなかった声で返される。
来てたんだ、と思いながらドアを開けると、声の主はこちらに背を向けて、ベッドに横になる彼の背中を必死にさすっていた。
振り返るその顔は、不安でいっぱいで。
「あ、松潤、」
「え、ごめん、こんな時に来て」
「いやいや、」
「おぇっ…」
「あぁ…大丈夫だよ、ゆっくりね…」
荷物を置いて駆け寄ると、すでにいくらか嘔吐してしまっている翔さん。
頼りなく震える指先から口元の容器をやんわり取って俺が支えると、ぼんやりと目が開いた。
「翔さん、分かる？俺だよ。」
「…うん……」
言葉を継ごうとするも、ぎゅっと結ばれる唇。気持ち悪そうに泳ぐ目を見て、来たばかりなのに泣きそうになる。
「翔ちゃん我慢しないよ、出していいからね…」
相葉くんの言葉にそっと目を閉じて軽くえずく。
さする手に合わせて背中が何度か波打つと、耐えきれなくなった物たちが容器にこぼれていった。
まぁ食べられていないんだろうとは思っていたけど、それはほぼ水分で、それだけしか吐けない辛さを思うと胸が痛い。
何度か戻した後、ぐったりとそのまま眠ってしまう翔さんに布団をかけて、大きく息をついた。
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花(プロフ) - るりかさん» るりかさん、コメントありがとうございます！有難いお言葉ばかりで恐縮です…とても嬉しいです！お話が収まり切らなくて続編に突入致しましたので、是非読みにいらしてください(^^) (2018年3月5日 0時) (
レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
るりか - はじめまして。私もこっそりお邪魔している一読者です。ホントに文章やセリフがリアルに迫ってくるので、本気で翔さんのことが心配になってきてます(^^;。花さんの文章のファンになりました。これからも執筆楽しみにさせてもらっています。でもご無理のない範囲で(^^)。 (2018年3月3日 11時) (レス) id: 8c381e902d (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 花序さん» 花序さん、コメントありがとうございます！温かいお言葉とても嬉しいです(^^)そろそろお話も終盤なので、最後まで読みに来て頂けたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2018年3月2日 8時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。ひっそりこっそり毎日覗きに来させていただいてます(笑)巧みな文章にどんどん引き込まれてドキドキしながら読んでます！Sさんの病系が好きなので、今後の展開がとても楽しみです。無理なくマイペースに更新されて下さいね！応援しています(^^) (2018年2月28日 0時) (レス) id: 62c126ed99 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - しょうこさん» しょうこさん、初めまして！コメントありがとうございます！この分野は狭めのニッチでやっている自覚があったので(笑)、同じように感じてくださる方がいてくれて嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (2018年2月19日 20時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花 | 作成日時：2018年2月8日 21時
