24.M 0214 ページ24
送ったメッセージに既読がつかなくて、じりじりと焦げつきそうな心配がこびりついて離れない。
ニノの貧乏ゆすりが止まらなくて、リーダーでさえも落ち着かずにとんとんと机を指で叩き続けていたとき、
ガチャリと楽屋のドアが開いて、待ち人がやってきた。
ずんと沈んでいた空気がそわついて、焦ったように2人に声をかけたくなるけど。
「遅くなってごめんね、ちょっとソファ借りるよ。」
有無を言わさない声で相葉くんに言われ、何も声を発せないままソファまでの動線を譲る。
ぐったりと相葉くんの肩に体を預けた翔さんは、ソファに腰かけると頭を背もたれに乗せて天を仰いだ。
白いというか…もはや土気色。本人に声をかけるのは、ひどく躊躇われた。
「ねぇ…大丈夫？」
「うん。ごめん、みんなの上着貸してくれない？翔ちゃん寒そう。」
早口に言うと相葉くんは自分のコートを脱いで翔さんに優しくかける。
俺ら3人分のアウターを持ってきたニノに優しい笑顔を向けて、同じように翔さんに被せた。膝にはブランケットもかけて、なるべく暖かくしている。
「苦しくなったら言ってね、外してあげるから。」
翔さんの耳元でそっと声をかけると、相葉くんは自分のマフラーも緩めに首元に巻いてあげる。
「寒くない？大丈夫？」
声を出すのもままならないように、コクと頷く翔さん。
終始目は閉じたままだ。
「疲れちゃったね。ちょっと休もうか。」
相葉くんが頭を撫でると、翔さんはまたコクと頷いて、ため息みたいに細く長く息をついた。
「時間きたら起こしてあげるからね。ゆっくり休んでね。」
優しく、優しく頭を撫でる。
少しの間そうしているうちに、翔さんは眠りに落ちたようだった。
眠ったのを確認して、相葉くんがそばを離れる。
俺らを振り返ったその顔には、拭えない疲労が滲んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 431人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花(プロフ) - るりかさん» るりかさん、コメントありがとうございます！有難いお言葉ばかりで恐縮です…とても嬉しいです！お話が収まり切らなくて続編に突入致しましたので、是非読みにいらしてください(^^) (2018年3月5日 0時) (
レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
るりか - はじめまして。私もこっそりお邪魔している一読者です。ホントに文章やセリフがリアルに迫ってくるので、本気で翔さんのことが心配になってきてます(^^;。花さんの文章のファンになりました。これからも執筆楽しみにさせてもらっています。でもご無理のない範囲で(^^)。 (2018年3月3日 11時) (レス) id: 8c381e902d (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 花序さん» 花序さん、コメントありがとうございます！温かいお言葉とても嬉しいです(^^)そろそろお話も終盤なので、最後まで読みに来て頂けたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2018年3月2日 8時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。ひっそりこっそり毎日覗きに来させていただいてます(笑)巧みな文章にどんどん引き込まれてドキドキしながら読んでます！Sさんの病系が好きなので、今後の展開がとても楽しみです。無理なくマイペースに更新されて下さいね！応援しています(^^) (2018年2月28日 0時) (レス) id: 62c126ed99 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - しょうこさん» しょうこさん、初めまして！コメントありがとうございます！この分野は狭めのニッチでやっている自覚があったので(笑)、同じように感じてくださる方がいてくれて嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (2018年2月19日 20時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花 | 作成日時：2018年2月8日 21時
