11.A ページ11
「櫻井さんっ、」
楽屋に入るなりマネージャーが心配を隠さず駆け寄ってきた。
「体調大丈夫ですか、一応胃薬と風邪薬と、葛根湯とかゼリーとか買ってきたんですけど、ちゃんと持ち直しましたか、今日ご飯食べられそうですか、このゼリー少しでも食べてちゃんと薬飲んでくださいね、っ、」
「あぁもう…ごめんって、でもそんな一気に喋ったらよく分かんないよ。」
ふふふ、と、やっと翔ちゃんが本当に笑う。
「心配かけてごめんね。さっき吐いちゃったけど、結構すっきりしたから今は落ち着いてるよ。一晩休めば良くなると思う。薬とか色々、ありがとう。」
ぺこっとお辞儀をして畳に座る。
そこに松潤が体温計を持ってきて、計ってみて、と渡しながらおでこに手を当てた。そして、渋い顔をする。
「うーん…収録、きつくなかった？」
「まぁ…でもそれほどじゃなかったよ。みんなも助けてくれたし。ありがとう。」
上目遣いで俺らを見る翔ちゃんが儚くて思わずどきっとしたとき、リーダーがそばに座って頭をよしよしと撫でた。
翔ちゃんが泣きそうな顔で俯く。リーダーの手は優しく翔ちゃんの頭を撫で続けていた。
ピピッと体温計が鳴って、気怠げにそれを取り出した翔ちゃんは体温を見て目を泳がせた。
すかさず松潤がそれを取り上げると、びっくりした後大きく息を吐き出す。
「38.7。よくデスマッチ2本もやれたよ。」
「えっ？」
予想以上の熱に思わず声を上げてしまう。
熱が分かってもっとだるくなってしまったのか、翔ちゃんはしんどそうに机に突っ伏した。
普段見ない弱り具合に後ろでマネージャーがあたふたするのが見えて、分かるけど落ち着いて、とニノが苦笑しながら諭す。
とにかく早く家に帰そうと、体の力が抜けてしまったような翔ちゃんを立たせて、両サイドから2人がかりで手伝って着替えさせ、楽屋から送り出した。
さぁ俺らも帰ろう。
各々心配な気持ちを抱えながら、お疲れ、と口々に挨拶して帰路に着いた。
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花(プロフ) - るりかさん» るりかさん、コメントありがとうございます！有難いお言葉ばかりで恐縮です…とても嬉しいです！お話が収まり切らなくて続編に突入致しましたので、是非読みにいらしてください(^^) (2018年3月5日 0時) (
レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
るりか - はじめまして。私もこっそりお邪魔している一読者です。ホントに文章やセリフがリアルに迫ってくるので、本気で翔さんのことが心配になってきてます(^^;。花さんの文章のファンになりました。これからも執筆楽しみにさせてもらっています。でもご無理のない範囲で(^^)。 (2018年3月3日 11時) (レス) id: 8c381e902d (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - 花序さん» 花序さん、コメントありがとうございます！温かいお言葉とても嬉しいです(^^)そろそろお話も終盤なので、最後まで読みに来て頂けたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2018年3月2日 8時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
花序(プロフ) - はじめまして。ひっそりこっそり毎日覗きに来させていただいてます(笑)巧みな文章にどんどん引き込まれてドキドキしながら読んでます！Sさんの病系が好きなので、今後の展開がとても楽しみです。無理なくマイペースに更新されて下さいね！応援しています(^^) (2018年2月28日 0時) (レス) id: 62c126ed99 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - しょうこさん» しょうこさん、初めまして！コメントありがとうございます！この分野は狭めのニッチでやっている自覚があったので(笑)、同じように感じてくださる方がいてくれて嬉しいです！今後もよろしくお願いします！ (2018年2月19日 20時) (レス) id: 5d6e515f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花 | 作成日時：2018年2月8日 21時
