花 よ り 男 子 - Forever love -

宣戦布告 2 ページ2

「あのっ....行かないんですか?」

最近この高校に転入して来た可愛い女の子が、ガラッガラの教室を見渡しながら私の机の前に立つ。

「皆さんいきなり教室から飛び出して行っちゃいました...けど...」

何か態度が挙動不審。
まあそりゃ当たり前か。
転入してすぐだし、全然誰も声をかけてこないんだもんね。
この学園は「自分」が一番だもん。

「そりゃあ、赤札って聞けばね。」

苦笑いで答える私をキョトンとした表情で見つめる。
本当に何も知らないんだなぁ...

転入早々のこんな可愛い子にこの高校の「赤札制度」たるものを教えていいものか。
残酷なような気がするけど..黙ってても結局は知る事になるよね。

「えー..っと、」

「あっ、三条 桜子(さんじょう さくらこ)って言いますっ！」

「ごめん、ちゃんと自己紹介は聞いてたんだけど、忘れっぽいんだ私。
じゃあ..三条さん。
この高校で一番偉い人って誰か知ってる?」

「え...校長先生?」

「ブッブー。権力とか権限とかこの高校でそれをまとめて独占してるある四人組。聞いた事ない?」

「いや..わかんないです」

「うーん、やつらの事をこの高校は“F4”って呼ぶの。」

「....あっ、それなら聞いた事あるようなっ感じがっ」


「彼らが基本的にこの高校を支配してるわけだけど、その理由はそのF4のリーダーの家系にあるの」

「F4のリーダーの....家系?」

「道明寺財閥って知ってる?」

「あっ、知ってますっ ...え、もしかして...」

「そのもしかして。F4のリーダーが道明寺財閥の跡取り息子。世界の経済を支える家の息子となればさすがの校長でも一切口出しできないって訳。」

「な、なるほど」

「で、それを良い事に彼らがしてる最低な行為、それが赤札制度。」


赤札制度...

多分アイツらが入学してからはじまったんだと思う。

4人の内誰か(特にリーダー)の気に障ったら「標的」にされる。
高校中の皆からいじめられ続け、地獄のような日々を送らなきゃならない。
その期間も様々で、4人が飽きたら終了。

「標的」にされたという合図が

毎朝皆が必ず見るロッカーに張られる赤い札。

私は実際見た事無いけど、

そこには黒い文字でこう書かれてるって噂。


“from F4”

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