9.黒い財布 ページ9
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「若林さん。コレ、3階の喫煙所に置きっぱだった。」
大野さんと知り合って、半年くらい経ったある日。
顔見知りの社員さんが出がけに受付に立ち寄って、黒い財布を私に渡した。
「ありがとうございます。お預かりします。」
これから営業に行くのであろうその背中を見送って、受け取った財布に視線を移す。
この会社では、社内での紛失物の管理や保存は受付の仕事で。
紛失物が財布の場合は、
『まず中に身分証が入っているか確かめる』のがテッパンの対応。
今回もマニュアルのとおりに財布を開いたけれど
免許証のようなものは無くて、
革製の高級そうなその財布の持ち主は、中身を見ただけでは結局わからなかった。
その日のうちにブランド名や色を調べて、内線を回して。
持ち主が受付にやってきたのは、
各部署に一通り電話をかけ終わって一息ついているときだった。
「…若林ちゃーん。財布が届いてるって聞いて来たんだけど…」
「大野さん……お財布、なくされたんですか？」
「ん。部長サンが言ってたブランド名が俺のと一緒だったからさ……ちょっと見せてくんない？」
同じ時期に同じ場所で同じブランドの財布をなくしてるってことは、
もうそれはきっと、大野さんのものだということだけれど。
「こちらです。免許証などの類がなくて、持ち主の判断ができなくて…」
なんだか、鉛がズドンと落っこちてきたようだった。
この財布の持ち主が大野さんだって事を、一瞬信じなかった自分がいた。
それは
「あぁ〜、俺の、これ。昔ウラに落書きしたレシートそのまんまだ(笑)」
「……そうですか、では、こちらにご記入お願いします。」
さっきこの財布を開いたとき、
偶然、
本当に偶然、
中に映画のペアチケットがあるのが見えてしまったからで。
それが、最近よく予告が流れているラブロマンスのチケットで、
きっと持ち主はこの映画に彼女を誘うんだろうな、って
無意識に考えていたから。
大野さんに彼女がいても別に不思議じゃないのに。
そもそも私には関係ないのに。
それでも、
なんだかモヤモヤした気分になる自分の心が
不思議で不思議でたまらなかった。
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嵐佳(プロフ) - かおるんさん» いらっしゃいませぇ〜！！(.ﾟｰﾟ)言われたいですよね！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))キャンディも全く同意見です。（笑）大好きだなんて嬉しすぎます〜！！二章もよろしくお願いしますね♪ (2015年10月7日 17時) (
レス) id: e5bd5a0a66 (このIDを非表示/違反報告)
かおるん(プロフ) - やっと来れたよーーーー（笑）危なっかしいって言われたーーい☆*:.｡. o(≧▽≦)o .｡.:*☆嵐佳さんの世界大好きです。さて受付の仕事に戻ろっと（笑）キャンディは大事に家に持って帰ろうっと(*^^*) (2015年10月7日 1時) (レス) id: fb1d6bf13f (このIDを非表示/違反報告)
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