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8話 ページ9

あれから解散して、私はマイキーと同じ
帰路を辿っていた。今日はパーチンが暑
さにやられてシャツを脱ぎ捨てた、だとか
ひたすら神社でかくれんぼをした、等色んな
話を聞いた。私も、今日遊んだ事は伏せて、新
しい店があそこにできてたよ、とか一虎のスー
パーでの出来事等をマイキーに話した。

『それで一虎がさ、スーパーで詰め放題のやり方
知らなくて、教えてあげたんだけど__』


『一虎がね、_____』


そう、とかふーん、とか相槌を打っていたマイキーが
次第に返事をしなくなった。黙るマイキーに


『どうしたの、マイキー?』


と声をかける。すると、マイキーは真っ黒の瞳をスっ
と向けてくる。


「お前、すげぇ一虎と仲良くなってじゃん、やっぱ
違うやつに行かせれば良かった。」

いやいきなりなんだよ、


『でも一虎とペア指しで行ってこい、って言ったの
マイキーじゃん。あれは仲良くなって来い、って言
ってるもんだよ。』


不満そうに爪を噛むマイキーに反論する。



「だって一虎がお前のこと好きになったら困る。
今日も帰ってきた時めっちゃ距離近かったし。」


カップルかよお前らは、と私の顔の前に人差し指を
指して責め立てる。こら、指を人に向けるんじゃあ
りません。


『まぁ一虎は前と比べたらそりゃ仲良くなったけど、
マイキーだって家では私にずっと引っ付いてるじゃん!
あれエマちゃんとか真一郎君に見られるのすごい恥ず
かしいんだからね!』


「俺は、いいんだよ。俺はお前と一虎が仲良くなりす
ぎてるのが気に入らねーの!」


『いや急に理不尽』


「とにかくさ、Aは一虎の事好きにならないで。
あいつから告られても絶対断って。"分かった"?」


『っ……。』



『分かった?』その言葉が脳内で何度も響く。


ああ、苦手だ。昔から、その私の全部を縛り付ける
ような決めつけの言葉が。拒否権なんて元から無い
前提で当たり前のように話す話し方が。



『分かっ……た、』


「ん、約束ね」


勝手に口がそう動いていた。人に我儘言ってもいい
んだよ、と言ってる割には私も小さい頃から何も変
わってないじゃないか。



気づいてるんだよ、マイキーの好意には。その言葉
は私が断れないと分かっていて言っている事も、わざ
わざ一虎と2人で買い物に行かせて試していた事も。





モヤモヤした気持ちのまま、月は7月から8月へと
変わっていた。







__________

_8月某日_



『あ、マイキーの誕生日…………』

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作者 - ロキロカさん» ありがとうございます泣!読者様からのコメントは作者のモチベに繋がるのでとても嬉しいです! (2021年8月20日 18時) (レス) id: 708145775c (このIDを非表示/違反報告)
ロキロカ - この小説大好きです!これからも更新頑張って下さい(*^o^*) (2021年8月20日 17時) (レス) id: b7f1a55b66 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2021年8月20日 0時

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