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12話 ページ13

___◇◇◇____


「場地、分かってるよな?」

バイク屋に着き完全に2人になった所で、一虎に
問われる。


「お前っ、本気かよ!」


「当たり前じゃん、あれはAに吐いた嘘。」


嘘だろ、本当にやんのかよ…… 心臓がドクドクと
音を立てて跳ねる。心の準備が整ってないにも関
わらず、一虎はそれを待ってくれなかった。
思っていたよりも簡単にガチャ、と裏口の扉が開い
た。


「本当にやんのかよ、一虎っ!」

心がどよめき、焦り気味に問いかけるが当のアイツ
はうっせぇな、との一言で何も言えなくなる。


覚悟を決め、恐る恐る足を踏み入れる。
今自分達が不法侵入をしている、という事実に汗が
ヒタヒタ、と地面に落ち、ドクドクと鳴る心臓が落
ち着かなかった。


お目当てのバブはすぐに見つかった。

近くで見ても、すっげぇかっこよかった。


事は順調に進み、バイクのハンドルを握っていざ運
び出す寸前、ここまで何も問題は無く、意外といけ
るもんだな、と思った。


後は一虎がシャッターを開けるのを待つだけ。
最高だ、上手くいった。

そんな時だった。









「おい、泥棒か??」



突如、店内に俺でも一虎でもない声が響く。



「誰の店に入ってんだ、コラ。」



終 わ っ た、


恐らく物音を聞きつけて来たのだろう、店主らしき
人影が暗闇の中でも近づいてきているのがわかった。
手汗が止まらず呼吸も荒くなり、立つのもやっとだ。


暗闇に目も慣れてきて、1度ギュッと瞬きをし、
もう一度目を開けると、うっすらと人のシルエ
ットが浮かび上がってきており、よく見ると武器
らしき物も持っているのがわかる。




「…………お前、圭介か?」




「っっ!!………真一郎くん。」



何で、ここに……。俺とは対照的に落ち着いた様子
の真一郎くんはなんでもないように答えた。


「ここ、俺の店だもん。」


嘘だろ、真一郎くんの店?最悪だ。何も言葉を発せず
口をパクパクしていると、最もこの場に似つかわしく
ない声が響いた。


『…………何してるの?』



「A!?」



何でお前が、



ガツン!


俺がAの名前を呼び、一瞬そちらに気を取られた
瞬間に、鈍い金属音が響いた。

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作者 - ロキロカさん» ありがとうございます泣!読者様からのコメントは作者のモチベに繋がるのでとても嬉しいです! (2021年8月20日 18時) (レス) id: 708145775c (このIDを非表示/違反報告)
ロキロカ - この小説大好きです!これからも更新頑張って下さい(*^o^*) (2021年8月20日 17時) (レス) id: b7f1a55b66 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2021年8月20日 0時

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