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「赤城さん、赤城さんは何がしたいの？」
「……え？」
「ミュージカル、だってあんなに目輝かせてたじゃん。やりたいのあるんじゃないの？俺達あんまり知識無くって」
「……」
赤城はクラスを見渡した、気分の良い男子と気分の悪い女子。赤城は女子の方を見て、少し怯えた表情をした。
だがその女子達が、赤城にこう言った。
「今回はあんたの発言聞くわ」
「さんせーい」
「まあいつも絵のことばっかだし息抜きね」
「でもその代わり赤城さん主演で」
赤城の事を悪く言っている奴等が、赤城の可愛さにやられ折れたのだ。赤城は目を見開き、「いいの？」とでも言いたげな表情をした。
萩は笑顔で「良かったね」と一言。赤城は萩に向けて笑顔を見せた、その顔は俺からは横からしか見えていなかったが、萩含め男子達の赤面を見る限り、破壊力は抜群だっただろう。
「でさ、何やる？赤城さん」
「……皆、ミュージカルでやりたいのないの？」
「赤城さんに合わせるよ、皆」
「……サウンド・オブ・ミュージック」
赤城はハニカミながらそう言った。その姿にまたもやクラスメートはやられてしまう。
サウンド・オブ・ミュージック、かなり古い舞台、映画だ。俺は見たことないが、ドレミの歌はサウンド・オブ・ミュージックのものだということは知っている。
赤城はその後、映画版基準がいいと言った。だがサウンド・オブ・ミュージックの内容を知らない人が半分以上いたため、明日の放課後教室で上映しようという話になり、第1回の文化祭話し合いは終了した。
休み時間、萩は相変わらずこっちにやってきて、赤城にすぐ話しかけた。
「赤城さん、ミュージカル好きなの？」
「うーん……サウンド・オブ・ミュージックが好き」
「意外、赤城さんって日本の話が好きなのかと」
「職人だからってそういう訳じゃない。サウンド・オブ・ミュージックは昔から好きで、音楽とかも綺麗でお話も良いから」
「確かに良い話だよね、赤城さんがマリアするのは決定で、問題はトラップ大佐……俺やりたいけど、これどっちかと言うと陣平ちゃんの方が……」
俺は見たことないから何も言えないが、萩がとても渋った顔で俺の方を見てくる。赤城さんは「あぁ確かに」とでも言いたげな顔をして俺を見つめる。
赤城以外の役を決めるのはまた明後日の話だ、とりあえずそれは明日の放課後にサウンド・オブ・ミュージックを見て皆で決める事だ。萩のリアクションを見る限り、トラップ大佐が主人公と結ばれるのか。
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御子柴(プロフ) - 鹿島さん» 最後まで読んで下さりありがとうございます！失恋の気持ちを少しでも味わってくれて嬉しく思います。次作がいつになるかはまだ分かりませんが、これからもよろしくお願い致します！ (2021年5月20日 19時) (
レス) id: 7b8ac9f247 (このIDを非表示/違反報告)
鹿島 - 完結おめでとうございます。外伝「横」で本編では語られなかった松田さんの赤城さんへの思いが見え、タイトルも回収され、切なくとても心に響きました。この作品に出会えて本当に良かったです。これからも応援してます。 (2021年5月17日 22時) (レス) id: 5cf1e8a67b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御子柴 | 作成日時：2021年4月29日 11時
