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夏休み、萩と外出していると、萩が何かを見つけてはしっていった。なんだと思い萩を追いかけると、萩はある女性の前で止まっていた。
あの黒髪ロングのくせっ毛具合、明らかに赤城である。萩凄すぎだろよく見つけたな。
「なんか新鮮だな、赤城さんがこういう所にいるの」
「河川敷にいるのが?」
「あんまりイメージなくて。ね、松田」
「あ?……まあそうかもな」
「へぇ」
「甚平の赤城さん可愛いね、仕事服?」
「仕事じゃないけど、まあ作業服」
今は休憩中で散歩してその散歩の休憩中、と少しわかりにくい日本語を話してきたが一応理解はした。要するに気分転換の散歩で疲れたから河川敷で休んでたということだ。
萩はちゃっかり赤城の隣に座っている、俺だけ立ってるのも可笑しいので萩の隣に座って、二人の会話を聞いておくことにした。
「赤城さん、夏休みどう?」
「いつも修行。課題はすぐ終わらせたからね、でも今は規則正しい生活出来てるよ」
「本当?……まあクマ消えてるから本当か。俺はねーまだ課題が終わってなくて困ってるんだよ」
「また分からない所あったの?」
「そう!松田と頑張っても無理でさぁ。な?」
「そうだっけ」
「今日の話なんだけど」
萩、俺に話を振るな。俺はお前らの会話を聞いていたいんだ。
赤城には俺のその思考が伝わったようで、この会話をすぐに終わらせた、今度解き方教えてあげると萩に一言言って。萩は夏休みにまた会えるの!?と嬉しそうに言っていた。
「……萩原君、私と話すなんて物好きだよね」
「え、なんで?」
「私学校で浮いてるから。まあ好きに言わせとけばいいけど」
「……俺は、赤城さんと話したいから赤城さんと一緒にいる。松田が俺と一緒にいたいから今隣にいるのと同じ」
「俺を例えにするな」
「とにかく、赤城さんは気にしないでいいよ」
「……私は萩原君を心配してるんだよ。私に矢が向くならまだしも巻き込みたくないから」
心配し過ぎだよ、と萩は言う。だが俺は赤城の気持ちが分かる、萩は学年でも人気のある奴だ、そんな奴が俺の隣にずっといる、いいのかよ、と思っていた時があったからだ。
だがそんな気持ちは自然となくなる、結局俺が萩といるのが居心地良いから、気にしなくなったのだ。
「俺が誰といようと関係ない。俺は赤城さんと一緒にいたいからここにいる。……ね?」
「新手の告白?」
「……赤城さん、もしかして意外と恋愛話好き?」
「……私だって高校生だからね」
少し高度なやり取りに、俺は耳を傾かせていた。
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御子柴(プロフ) - 鹿島さん» 最後まで読んで下さりありがとうございます!失恋の気持ちを少しでも味わってくれて嬉しく思います。次作がいつになるかはまだ分かりませんが、これからもよろしくお願い致します! (2021年5月20日 19時) (レス) id: 7b8ac9f247 (このIDを非表示/違反報告)
鹿島 - 完結おめでとうございます。外伝「横」で本編では語られなかった松田さんの赤城さんへの思いが見え、タイトルも回収され、切なくとても心に響きました。この作品に出会えて本当に良かったです。これからも応援してます。 (2021年5月17日 22時) (レス) id: 5cf1e8a67b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御子柴 | 作成日時:2021年4月29日 11時