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結婚式が済んでから少し、2人の住んでいる家に向かった。場所は旧宮本邸だ、宮本師匠が遺言書に赤城に全てを渡すと書いていたのだ、宮本師匠の親戚が机の中にあったそれを見つけ、赤城に全てを明け渡したそう。
萩は最初は官舎にいたが、途中から同棲、そこから結婚に至った。今現在は萩原邸という事になる、だが赤城は結婚したものの活動名はややこしくなるからと旧名のまま行っている。
家が見えてきた、相変わらず立派な和風建築だ。この時期はオオデマリが咲いており、目印にもなる。インターホンを鳴らしてしばらく、萩が迎え入れてくれた。
「よォ萩、この前の結婚式ぶりだな」
「だな、入って入って、俺がご馳走作ってるから」
「赤城いるのか？」
「昨日夜中まで仕事してたから。今起きてお茶飲んでるところ」
萩が最近主夫に見えてきたのだが、萩は爆処のエースである。忙しさはどっちも同じくらいだろう、平日は日中は萩が働き、萩が帰って来た時は赤城がアトリエにいるという感じらしい。
中に入り居間の方に行くと、既に赤城がゲームのセットをしていた。……Wiiなんだが。
「あ、松田君。この前松田君に焦りを感じさせた日以来だね」
「おいそれ結婚の話じゃねェだろうな」
「今日は久しぶりにWiiしようと思って！研二君リモコンの電池！」
「はーい」
相変わらずほのぼのした家庭だ、ここに来ると人の温かさを感じる。いつも犯罪者相手に仕事している俺からするとオアシスみたいなものだ。
萩が俺にリモコンを渡してきた。赤城はいつぞややったパーティを立ち上げ、いつも選んでいるジジイとババアを選んだ。
……だが今日は、実は聞きたいことがあって来たのだ。2人の事はよく知っているが、一つだけまだ知らない事がある。一年経ったのでそろそろ教えてくれるだろうと思い、俺は萩に聞いてみた。
「……そういえば、プロポーズどうやったんだ」
「忘れた頃に聞いてくるね松田は」
「まだ言ってなかったの？」
「だってロマンチックでもなんでも無かったから」
「珍しいな」
「……2人でオオデマリ眺めてたらポロッと言っちゃってさ、結婚したいって」
それをAが聞き逃さなかったから、改めて結婚しようって言ったんだよ。そう萩は言った。
赤城は少し頬を染めて笑う、萩もそんな赤城を見て照れていた。
────
これは
俺の大切な親友と
その親友が愛した女と
そんな2人を見守った俺の物語。
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御子柴(プロフ) - 鹿島さん» 最後まで読んで下さりありがとうございます！失恋の気持ちを少しでも味わってくれて嬉しく思います。次作がいつになるかはまだ分かりませんが、これからもよろしくお願い致します！ (2021年5月20日 19時) (
レス) id: 7b8ac9f247 (このIDを非表示/違反報告)
鹿島 - 完結おめでとうございます。外伝「横」で本編では語られなかった松田さんの赤城さんへの思いが見え、タイトルも回収され、切なくとても心に響きました。この作品に出会えて本当に良かったです。これからも応援してます。 (2021年5月17日 22時) (レス) id: 5cf1e8a67b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御子柴 | 作成日時：2021年4月29日 11時
