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文化祭の次の日から、赤城は一躍有名人になっていた。「明日までは学校普通に通える」と昨日言っていた赤城。……昨日の明日は今日だよな。なんでこんなに遅いんだ。

そう思っていたら、両手いっぱいに何かを抱えている赤城が教室に入ってきた。萩はすぐさま赤城の方に行き、その抱えられてるもの達を持つ。



「おはよう赤城さん。どうしたのこれたち」

「いや……なんか、登校中沢山貰っちゃって。手紙とかストラップとかチョコとか……」

「……え、男から?」

「どっちも。あ、おはよう松田君」

「おお。……それどうすんだよ」

「……机入らないかな。……エコバッグ使うか……」



赤城はカバンからエコバッグを取り出し、どんどん中に入れていった。手紙は読みたいのか机に置いていく。赤城のチョコ好きは一体どこから漏れたのだろう。

最近の赤城は主役をするからと身だしなみも綺麗にしていた、インクの匂いも消えており、手にもインクがついていない、黒ずみもなく白い肌になっていた。そして目の下のクマも消え、それはそれは女優並の可愛さをした女になっていた。


ただ、まだそれを良しと思わない奴等がいる。クラスメートの赤城の陰口を中心的に言ってた奴等だ、彼奴らはまだ赤城の陰口を言いふらしていた。それも最近は完全にでっち上げの話ばかり。

今まで赤城は皆に距離を置かれていた、だから皆あの女共の話についていってたが、今回の件で一気に赤城は人気者、彼奴らが逆に一歩置かれる存在になった。



「手紙、どんな内容書いてるの?」

「ミュージカルとても素晴らしかったです、赤城さんの歌に惚れました。……とか」

「それ女の子から?」

「これはそう」

「匿名とかある?」

「何通か。顔は見たけど覚えてないから……」



まあ所謂ファンレターだな、萩もよく貰っていた。最近はどうなのか知らないが、2年の一学期の頃までは確実に貰っていた。

赤城は少し困った顔をしながら全文目を通していく、家で読めばいいのにとも思ったが、此奴は帰ってから最近まともに出来てなかっただろう修行があるだろう。今しか読む時がないようだ。


授業になっても、赤城は手紙を読み続け、一限目の終わり頃に全て読み終えていた。結構な量があったようだ。まあビッシリと書かれてあったものもあるだろう。

全て読み終えた赤城は居眠りコースへと入っていった。無防備に寝顔をいつも見せてくるが、萩みたいに赤城に惚れてる奴は多いのだからもう少し危機感を持ってほしい。

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御子柴(プロフ) - 鹿島さん» 最後まで読んで下さりありがとうございます!失恋の気持ちを少しでも味わってくれて嬉しく思います。次作がいつになるかはまだ分かりませんが、これからもよろしくお願い致します! (2021年5月20日 19時) (レス) id: 7b8ac9f247 (このIDを非表示/違反報告)
鹿島 - 完結おめでとうございます。外伝「横」で本編では語られなかった松田さんの赤城さんへの思いが見え、タイトルも回収され、切なくとても心に響きました。この作品に出会えて本当に良かったです。これからも応援してます。 (2021年5月17日 22時) (レス) id: 5cf1e8a67b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御子柴 | 作成日時:2021年4月29日 11時

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