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文化祭初日、最後の通し練習が終わり、俺と萩で帰っていた。かなり遅くなっており、外は既に真っ暗。萩は赤城を送りたそうにしてたが、赤城が住んでいる宮本邸は学校のすぐ近くだ、送る必要が無い。と言うよりも俺達の帰り道の途中にある。

これは以前から気になっていた事を萩に聞いた、いつ惚れたのかと。



「いつ、か……まあ気になり出したのは1年の5月」

「……てっきり入学式かと」

「そりゃあ可愛い子だとは思ってたけど、恋愛とは違ったさ。丁度松田が用があって先帰っててって言われた日だね、宮本邸のあたりに落ちてた花が気になって思わず立ち止まったんだよ」



そしたら赤城さんが後ろから話しかけてきてさ、と萩はさながら恋する乙女のような表情をしながら話す。

萩はその時の事を思い出しているのだろう、正直萩のこんな表情は初めて見た。小中では彼女が出来たと何回も聞いた、だがこんな表情をしながら話してはいなかった。……それだけで、赤城が特別なのが分かる。



「「何してるの」って聞いてくるから俺正直に花が気になってって言ったんだよ。そしたら赤城さんが「オオデマリ」って花だよって教えてくれた」

「……それがきっかけ?」

「そう、宮本邸歩く時によくボトンって花が落ちてただろ?あれオオデマリって言うらしい」

「……いや、それだけ?」

「うん」



花の事知ってたのが意外でそこから気になり始めた、と萩は言う。確かに赤城に花のイメージはあまりないが、それだけで気になるものなのだろうか。

そして決定的に惚れた瞬間と言うのもあるらしい、だがそれについては何も教えてくれなかった。どうやらそれで俺が惚れてしまうかもしれないと思ってるようだ。別に俺は赤城がタイプでもない、気にしないでいいのに。



「あの言葉に痺れてね、前に言ったよな、「何を言われても堂々としているところが好き」って。まあそれを再確認するような出来事があったんだよ」

「……へぇ」

「でもあの言葉は松田には聞かせたくない、松田が赤城に惚れてしまう」

「だから惚れねぇって」

「大切な親友に失恋を経験させたくないから」

「遠回しに赤城と付き合う宣言してるぞ」



俺はそのくらい本気だから、と萩は真剣な顔をして言った。

改めて、此奴が本気だという事が分かった、今まで過ごしてきた中で1番と言っていい。萩は後にも先にも赤城しかいないと感じているようだ。なら俺は、此奴のサポートするまでだ。

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御子柴(プロフ) - 鹿島さん» 最後まで読んで下さりありがとうございます!失恋の気持ちを少しでも味わってくれて嬉しく思います。次作がいつになるかはまだ分かりませんが、これからもよろしくお願い致します! (2021年5月20日 19時) (レス) id: 7b8ac9f247 (このIDを非表示/違反報告)
鹿島 - 完結おめでとうございます。外伝「横」で本編では語られなかった松田さんの赤城さんへの思いが見え、タイトルも回収され、切なくとても心に響きました。この作品に出会えて本当に良かったです。これからも応援してます。 (2021年5月17日 22時) (レス) id: 5cf1e8a67b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御子柴 | 作成日時:2021年4月29日 11時

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