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ーー
「…いち兄が、ぃたら……」
「包丁、それは何度も……」
包丁「…だって、…俺たちをたすけてくれたのは…いつも、いち兄だったのに……っ、」
「そんなこと、みんなわかってる！！
…でも、いち兄は…あのひとに…っ、」
五虎退「…ぐすっ…ふぅう…っ」
「ごっ、五虎退さん…なかないでください…！
三日月さまたちがもうじきかえってくるはず……」
「…っ、だけど…三日月、宗近さん達だって…
…怪我してるのに…っ！」
「手入れなんて、ぜったいにしてもらえないよ」
心が痛む。
いや、自分なんかよりもこの子達は
もっと痛くて辛い思いをしてるんだよね。
乱「こんのすけ、その子だけでも政府に帰してあげてもらえない……？」
こんのすけ「…っ、乱藤四郎殿…」
あぁぁぁぁああぁ、
そうだ、この子達の前では幼児ごっこは必要ないもんね！！！！！！
『…そこの泣いてる子、
…えっと五虎退くん…だっけ？』
五虎退「…っ、？」
『眼帯さんが言ってたけど、自分。
五虎退くんのお姉ちゃんなんでしょ？』
今まで喋らなかったからかな、
周りの子たちは涙を溜めた目を見開いて自分を見つめる。
『自分、弟が欲しかったんだよねぇ。
勿論、五虎退くんだけじゃなくて他の皆も。
あ、自分の事はお姉ちゃんって呼んでね？
梅三郎、自分やる気出ててきたわ』
思ったよりも地声は低い方なんだよね、自分。
まぁ、それも似合わないと言われ続けた１５年間なんだけれども。
こんのすけ「さすがA殿！！
梅三郎とはこんのすけのことですかな？」
既に痺れかけた足に力を入れ踏ん張り、
いきなり立ち上がる自分を不安気に見る子ども達。
『お姉ちゃんに任せなさい！！！！！！』
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作者名：茶封筒 | 作成日時：2018年2月20日 18時
