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薄暗い和室の中、襖の隙間に見えるのは止むことなく降り続ける雨。
「…外が気になるの？」
「……」
耳元で聞き慣れた声に、
応えは既にわかっているが首を縦に振る。
「だぁめ、外には危険な“物”がたくさんいるからねぇ……
大丈夫、僕がちゃんと守ってあげるよ」
後から自分の腰に回された“主”の腕の力は強まり圧迫感に襲われる。
「〜〜〜っ！」
「ーーーー！！！」
僅かだが、“外”で何か騒動でもあったのか言葉は聞き取れないがそれが怒鳴り声だとは認識できた。
「…………少し様子を見てくるよ、」
声色がほんの少し低くなって、機嫌が悪くなったのだとわかる。
「…そうだね、もう時期日が沈む。
今夜は長くなりそうだから華は眠りにつこうか」
回していた腕を解き、“主”の膝の上に腰をかけていた自分を横抱きにし、
そのまま真っ白なシーツの上に仰向けで寝かし真っ白で生地のいい布団を肩元まで被せ“主”は自分の頭を優しく撫で部屋を出る。
「…っ、はぁ……はっ…、」
______苦しい、
真白で統一された和室。畳も、襖も、
自分の両手を繋いでいる鎖も、首元の鎖も、両足の鎖も、
何もかも真っ白。
理由は「主が好きな色だから」。
「ああぁああああああ！！！！」
「やだあぁああぁあああっ！！！！」
怒鳴り声だった筈の声はいつの間にか悲鳴に変わっていて、
圧迫感を感じていた自分の身体は形だけの自由になった代わりに、酷く胸元が痛んだ。
誰か、
どうか誰か
____________皆を助けて______、
降り続く雨の音に掻き消されてしまわぬように
心の中で何度も叫び自分は意識を手放した。
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作者名：茶封筒 | 作成日時：2018年2月20日 18時
