魔法使いと謎の青年

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その間Aは、近くにあった新聞に軽く目を通した。

ニューヨークゴースト紙【魔法の混乱と漏洩危機】

ニューヨークでは、各地で異様な災害が起きているらしい。

魔法界で問題視されている事件だ。

グリンデルバルドが関係してるとも噂されている。

｢ティナ…。もういい。このお嬢さんの杖の許可書を申請してあげなさい。｣

グレイブスの呆れた声で、いつの間にか話が終わっていることに気づく。

｢ごめんなさいね。お取り込み中に。｣

｢いえ。…どうぞこちらに。スキャマンダーさんは、そこで待ってて。｣

女性は、青いコートを着た男性を命令し、酷く落ち込みながらアベリアの経歴や杖の許可書を見た。

｢A・ギレスピーさんね。貴方25歳なの!?｣

女性は、Aを見ては未成年だと思ったらしく年齢を見てもう一度顔を凝視した。

彼女は、日本人の血が混ざった見た目のせいか実年齢よりもだいぶ若く見られるのだ。

だから、グレイブスもお嬢さんの言っていたのだ。よくある事だが、子供に見られるのは中々腑に落ちない。

すると、スキャマンダーから視線を感じる事に気づいた。

Aは、この人も自分を子供だと思ったのかとショックを受けているところだった。

｢ねぇ。君ホグワーツ出身だよね。僕だよ。ニュート。覚えてないかな…。｣

学生時代、聞き慣れた名前が耳にすっと入ってくる。
男性の顔を見ると赤茶色のふわふわした髪と相変わらず目を合わせるのが苦手な様子が、かつての友人に似ていた。

｢え、ニュート・スキャマンダー!? 覚えてるわ！全然気付かなかった。｣

Aは、久々の再会に運命だと言わんばかりに喜んび顔を明るく花のように満開にした。
2人は、学年も寮も違ったが、とあるきっかけで学友になったのだ。

｢それにしても君、学生の頃と随分…。｣

ニュートが、言い終わる前に先程の女性が急いだ様子で話しを遮った。

｢2人とも知り合いなのは、わかったから。それよりも動物を何処へやったか見つけなきゃ。
ギレスピーさん。杖の許可書と長期滞在を許諾します。
2人共送るわ。｣

そう言って3人は、マクーザを後にした。

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