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｢あれ、ニュートなんで消さなかった？｣
｢君が好きだから。君は友達だから。助けてくれたことは忘れないよ。｣
ニュートは、珍しくジェイコブの瞳を真っ直ぐ見つめていた。
ジェイコブは、その言葉に胸がいっぱいになった。
｢ねぇ。私も行くわ。2人でどこかへ行っちゃうのはどう？｣
クイニーが、ジェイコブの手を取り2人は相変わらず幸せそうに笑い合う。
｢貴方みたいな人どこにもいないわ。｣
｢そこらにいっぱいいるよ。｣
｢いいえ。…貴方はたった1人よ。｣
ジェイコブは、ますます帰りたくなかったが、涙ぐみながら決意する。
｢夢が覚めるようなもんだろ？｣
そうして、彼は忘却の雨に打たれ魔法の記憶は、洗い流されていく。
クイニーは、ジェイコブにさよならと愛の意味を込め、そっと口付けをした。
場面は変わり、ティナは、Aとニュートをイギリス行きの船乗り場まで送った。
｢じゃあ、またねティナ。色々ありがとう。今度食事にでも行きましょ手紙送るわ！｣
｢こちらこそ。いつでも待ってるわ。｣
Aとティナは、軽くハグをし別れを告げた。
｢さぁ。私は先に乗ってるから後は2人で。｣
Aは、少し悪戯な笑みを浮かべ、ティナに手を振りながら船に乗り込んだ。
Aは、船の脇で黒革のボストンバッグを何度も持ち替えながら波の揺れを眺めていた。
｢A。｣
ティナと話し終えたニュートは、どこか寂しそうにニューヨークの街を眺めていた。
｢ティナとちゃんとお別れできた？｣
ニュートは、ちゃんととはどういう事だと思いながらティナの顔を浮かべて少しだけ口角が上がっていた。
Aは、その様子を見て同じように笑い、また波の流れを追い始めた。
船の汽笛と共に船はゆっくりと揺れ始めニューヨークの町は次第に小さくなっていった。
ロンドンに着く間、ニュートとAは、空白の時間を埋めるようにそれぞれの話で持ち切りだった。
｢そんな所まで旅をしてたのね。私もいつか行ってみたいわ。｣
｢Aは、僕がその…学校を辞めてからどうしてた？｣
｢…それなりに楽しめたわ。ほら、クリスマスとか沢山プレゼント貰えたし。｣
Aは、目を少し泳がせて無理やり楽しそうなエピソードをでっち上げた。
｢君、昔から沢山貰ってただろ。殆どが嫌がらせ目的だったけど。｣
Aは、返す言葉が見当たらず、今度は、近くで飛んでいるカモメを眺め始めた。
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狭山(プロフ) - さくらさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そう言って頂けて光栄です！更新頑張ります！ (2022年6月15日 18時) (
レス) id: a7fc792303 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 初めまして!この作品は面白くてとてもワクワクします✨更新楽しみに待ってます！ (2022年6月13日 7時) (レス) @page15 id: 2a8d4606f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狭山 | 作成日時：2022年6月4日 15時
