幻想弐 (ページ1)

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おついちside

買い物を終えて、家に入るとリビングから兄者の歌声が聴こえてきた。
弟者と顔を見合わせ、音を立てないようゆっくりとリビングを見る。

猫を自分の上に乗せて、歌いながら猫を撫でていた。
それも愛おしそうに。

一旦退散するか。と弟者とアイコンタクトをしていたら歌声が止まった。

兄｢2人してんな所で何してん？｣
起き上がった兄者が猫を抱えたままジトっとした目でこちらを見ていた。

お｢いや、中睦まじそうに見えたからさ。後にしようと思って｣
苦笑いしながらリビングへ行く。
後ろから着いてくる弟者は何か不服そうに兄者を見ていた。
兄｢別に気にせんでも｣
そんな事を言いながらも猫を撫でる手は止めない。

お｢とりあえず色々必要そうなの買ってきた｣
ドサッと荷物を置くと改めて荷物持ちを連れて行って正解だった。

トイレの設置を弟者に任せ、買ってきた食器を洗った。
食器を両手に持ち何処に置こうか悩んで居ると、猫を抱いたまま俺の近くまで来た。

兄｢食器置くならダイニングは？1箇所空いてるし｣
お｢確かに空いてるけど、どうなのそれ｣
床に食器を置いて食べているイメージから机の上は考えていなかった。

短期間だけだし、まぁ良いか。とダイニングの空いてる場所に食器を置いた。
兄｢ちょっと猫抱いてて｣
猫を俺に預け、キッチンに入っていった兄者は手には青ランチョンマットがあった。
ダイニングに置いた食器の下にランチョンマットを敷いて満足そうに笑っていた。