おにぎり宮の店主さんに一目惚れした【宮治】 (ページ47)

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後日談３ページ47

『…雨だ』

カーテンの隙間が気になって窓際へ立ってみれば
外は大粒の雨

治、傘持って行ってなかったよな

よしこれはチャンス。お迎えいこう

という事で閉店間際、やってきましたおに宮。

『治〜』

｢はっ！！…A！｣

扉を開けて店内へ一歩踏み入れれば
治がわざわざ私の方まで来てくれる

｢俺会いた過ぎて幻見とるんちゃうよな？｣

…どこかで誰かが言ってたような台詞だなあ、コレ。

『本物ですぅ！ほれほれ』

軽く治の頬っぺをふにふにすると｢あ゛だだっ｣と
可愛い声を上げながら表情がゆるゆるになった。

『雨だから迎え来た…って言うのを口実に
早く会いたくて来ちゃった』

｢なん？急にデレるんやめてくれん？｣

『それはこっちの台詞だと思うんだ？』

最初こそ戸惑ったし死ぬほど照れたけど
人前でもデレる治を見てると、私も堂々としてていいんだって安心する

店仕舞いをして外へ出たら、もう雨は上がっていた

｢…｣

『どしたの？治』

｢や、Aが迎えに来てくれた嬉しさと
こんな夜道を一人で歩かせてしもた後悔が｣

『心配性だな〜もう』

｢付き合う前から心配やってん。夜遅くまで仕事しとったし…アパート付近暗いし｣

『でももう治いるから安心だね』

治の腕に自分の腕を絡ませてぴたりとくっついて見上げた。

｢はぁ…もう今日なんなん？可愛すぎん？｣

私は至っていつも通り…って言いたいけど
最近一緒にいる時間が短いから寂しいのは事実。

帰宅後、ご飯を食べてお風呂に入って同じベッドに入る

最初は空き部屋お借りして、別だったけど3日目くらいから
部屋の布団無くなってた。
治は｢あらら〜ほんなら一緒に寝よな〜｣って言ってた。棒読みだった

甘えたくて背を向けて横になっている治にくっついてみる。

すると少し間を置いてこちらへ向き腕枕をしてくれたので
身体を起こし、私からちゅっと何度か軽いキスを落とした

｢なん…ええの？｣

『ん？』

何度目かのキスの時、彼の手が私を止めるように首筋を撫でた。

ぐるんと反転する視界。先程まで見下ろしていた彼を
今度は見上げている

｢俺そんなに我慢出来る程ええ男ちゃうで。っちゅうか結構もう限界｣

その日の治は、キスだけでは終わらなかった

翌朝、私は以前侑と角名くんに言われた
“大変だけど頑張って”の本当の意味を理解した