おにぎり宮の店主さんに一目惚れした【宮治】 (ページ18)

今日:55 hit、昨日:21 hit、合計:200,738 hit

18個ページ18

『突然申し訳ありません…失礼します』

｢いや全然ええですよ。あいつら気にせんとゆっくり食べましょーや｣

席移動した事は、お見通しか…

彼のくりっとした大きな瞳が細くなり、先程まで堅かった表情が柔らかくなった。

『ありがとうございます、いただきます。……ん〜〜うまっ！』

やっと落ち着いておにぎり食べられた。はぁ、美味しい。

｢…めっちゃ美味そうに食べはりますね｣

『ここのおにぎり、本当に美味しくて…なんだろ、
具や海苔も勿論なんですけど、お米がもう最高…
白米おかずに白米食べられますわ。作った人にお礼言いたいです』

｢…ははっ、そりゃおおきに｣

『へ？』

彼を見やるとふわっと笑って、照れ臭そうに頬をポリポリと掻いていた。

｢その米、俺が作っとるんですわ｣

『え？！』

｢そないに褒めてもろて…嬉しいわぁ｣

侑から以前聞いた事がある。

宮さんのお店のお米は
侑や宮さん、そして角名くんの先輩にあたる方が作っていると。

『…って事はもしかして……お米を作ってらっしゃる侑達の先輩、って』

｢俺ですね｣

『わわわっ！！い、いつも美味しく頂いております！ありがとうございます！お会いできて光栄です！！お、お名前お伺いしてもよろしいでしょうか！！？』

北信介さんというそのお方。

逆ナンみたいなノリになってしまった興奮気味の私、
｢落ち着きぃや｣と北さんに言われ
すぐに平常心を取り戻した。

なんだろう、北さんには従わなければならないと本能がいっている。